まちの本棚だより

2015.9.15 マイクロ・ライブラリーサミット2015に出場します。 text by 本棚くん

今年で3回目となるマイクロ・ライブラリーサミット。全国各地から本をめぐる小さな施設図書館や本のスペースが大阪に揃います。
そのマイクロライブラリーサミットに石巻まちの本棚も今回出場をすることになりました。
今年のテーマは、「つながる輪〜コミュニティと本と人との新しい関係を探る」。
公共図書館や個性的な書店も取り組みを披露します。
まちの本棚は活動は発表すると同時に、「地域の交流を育むライブラリー」としてまちの本の拠点としてまちに対して果たす役割やこれからの可能性をディスカッションします。お近くの方は是非ともお越し下さい。

f0ed58a00e75354dada69c21f28874cb-1024x445
マイクロ・ライブラリーサミット2015

~つながる輪〜コミュニティと本と人との新しい関係を探る~

日時:10月3日(土)10:00〜18:00
参加費:無料(要申込/交流パーティーは別途参加費徴収します)
定員:200名
会場:I-siteなんば(大阪府立大学)
(大阪市浪速区敷津東2-1-41南海なんば第1ビル2F・3F)
主催:マイクロ・ライブラリーサミット2015実行委員会
共催:公立大学法人大阪府立大学
後援:一般財団法人森記念財団、大阪府立大学観光産業戦略研究所、
協賛:南海電気鉄道株式会社

2015.7.28 【レポート】石巻一箱古本市2015 in STAND UP WEEK text by 本棚くん

一箱古本市の前々日くらいから雨模様だった石巻でしたが(しかもザーザー降り)、当日朝でも雨が止まず・・・。どうなることかと気を揉みましたが、会場の準備がはじまるころには何とか止んでくれました。
午前10時、店主さんが続々と訪れはじめ、まずは顔合わせを兼ねたミーティングから。毎年出店してくださる方、初出店の方、特別出店の方と多彩な顔ぶれになりました。自己紹介と、注意事項など確認したあとはそれぞれの箱の準備にはいります。めいめいの屋号を掲げた箱が並んで、どんな中身になっているのかワクワクでした。
11時に一箱古本市スタート。11時前から様子をみに来てくださった方もあったり、すでにマップを手に箱を回られている方もいて、一箱古本市を目当てに足を運んでくださったのかなぁと嬉しくなりました。
店主さんの中には過去3回出店してくださっている方も多く、店主さん、お客さん共に再会を楽しんでいる様子もうかがえて、回数を重ねるのもいいものだな、と実感できました。
午後4時、結局、雨は降らなかったものの、蒸し暑い一日になりましたが、おかげさまで事故もなく無事終了。
店主さん、一箱助っ人さんで会場の片づけをしたのち、5時からは「IRORI石巻」にて恒例の表彰式が開催されました。
今年は、「石井ゆかり賞」「一箱本送り隊賞」「百俵館賞」「ISHINOMAKI2.0賞」「石巻まちの本棚賞」の5つ。それぞれ、楽しみつつ、石巻の一箱古本市に関わる中での思いをのせて選んでくださいました。
受賞者は以下の方々です。おめでとうございました!
「石井ゆかり賞」・・・ションボリーブックスさん
「一箱本送り隊賞」・・・一箱堂2号店さん
「川の上 百俵館賞」・・・ちのり文庫さん
「ISHINOMAKI2.0賞」・・・書局やさぐれさん
「石巻まちの本棚賞」・・・パナけいBOOKSさん

今回の店主さんは、市外の方が約7割(遠くは京都、富山など!)、石巻の方が約3割という感じでしたが、石巻の店主さんのうち半分は初出店の方でした。「来年も参加します」と言ってくださる方も多く、第5回を開催できるようがんばろうと思った一日でした。

【特別出店】
《立町復興ふれあい商店街》_____________________________
往来堂書店 
東京・千駄木の「町の書店」がよりすぐった他では買えない新刊、リトルプレスやオリジナルグッズを販売。オリジナルグッズのバッグやTシャツは、直前まで製作に励んでいたそうです・・・!

_MG_8986

つれづれ団 
仙台を面白くする集団がことしも石巻にやってきてくれました。
買った本を入れられるバッグのワークショップ「ペーパーバッグをつくろう!」、足湯ならぬ「足水」などなどたくさんの企画を開催。

01

《石巻商工会議所横》_____________________________
羽鳥書店
東京・千駄木の出版社。美術・人文・法律の本を出版しています。『女川一中生の句』をはじめ、新刊が並びました。

_MG_8982

川の上 百俵館 
石巻、川の上地区にある図書館とカフェを併設した住民交流施設「川の上・百俵館」(かわのかみ・ひゃっぴょうかん)のスタッフが持ち寄る厳選された本を販売&展示。

《かめ七呉服店》_____________________________
てくり 
盛岡の「ふだん」を綴る雑誌『てくり』バックナンバーの他、10周年を記念してつくったトートバッグを販売。
6jumbopins
秋田のTシャツ工房。「てくり」さんとコラボ出店の予定でしたが急遽単独出店に。
目玉は「石巻まちの本棚」のオリジナルグッズを作ってくださったこと。
アイテムとインクの色を選んで注文でき、その場でプリントして販売!
_MG_8972

《日和アトリエ》_____________________________
はと&ますこえり二人展「紙の駄菓子屋 はとます屋」(7月24日~26日)
7月24日(金)18時~21時
25日(土)10時~18時
26日(日)10時~16時

「石巻にふたりの絵描きさんのお店が開店。
原画展示、オリジナル雑貨の販売ほか、
即興うちわ描き(ますこ)や「はとます輪投げコーナー」など楽しい催し物も!」

ワークショップ①
缶バッチ    1個300円
はとますぬりえ 1枚50円~

ワークショップ②(26日(日)10~12時)
誰でも作れるミニ絵本教室(講師 はと)
参加費500円

_MG_9039

【スタンプラリー開催】
全7か所のスタンプをあつめて、プレゼントと交換!(交換場所:石巻まちの本棚)
今回は、スタッフ手作りの「ブローチ」
本のかたちや、「本棚くん」など多様なブローチを先着100名にプレゼントしました。

2015.7.23 詩の朗読ライブ開催! 石巻一箱古本市2015 in STAND UP WEEEK text by 本棚くん

7月25日(土)に開催される石巻一箱古本市2015 in STAND UP WEEEKにて詩の朗読ライブを開催します。
出演はBOOK BOOK Sendaiの代表でもある詩人の武田こうじさん、音楽は佐藤知里さん。
14時から開催します。一箱古本市の会場でもある寿町通りパナックけいていにお集りください。

image

☆詩の朗読ライブ
詩人 武田こうじ(朗読) 佐藤知里(音楽)
日時:25日(土) 14:00~
場所:パナックけいてい
入場:無料

2015.7.11 【はじまりました】暮らしの道具 松野屋 あらもの雑貨の世界 text by 本棚くん

7月より石巻まちの本棚では「暮らしの道具 松野屋 あらもの雑貨の世界」が始まっています。
松野屋さんが日本各地の作り手たちと対話して生み出した商品たち、世界中から見つけてきたモノたちが集まり、
本であふれた店内から、愛おしい道具であふれた店内にパッと変わりました。
この機会に是非ともお立ち寄りください。

11710030_857642367653799_5538307544194088191_o 11728880_857642434320459_739725918197850896_o 10383800_857642257653810_8696535297280017908_o 11223989_857642254320477_830526245023617309_o DSC_9406

松野屋さんの あらもの雑貨展
期間:7月4日(土)~8月31日(月)
土・日・月 11:00-18:00
期間中同時開催:松野弘さんの本棚 〈70 年代といまを結ぶ本〉

2015.5.31 【ブックレビュー】まちへのラブレター: 参加のデザインをめぐる往復書簡 text by かつ

「まちへのラブレター: 参加のデザインをめぐる往復書簡 」
山崎亮 乾久美子 /著者
学芸出版社/出版社
→購入はAmazonから

「みんなでつくることの設計」

みんなでつくる。みんなで考えるという言葉の美しさや耳ざわりの良さに、ついつい忘れてしまうことも多いが、みんなで何かをつくりあげることはひとりでやること以上に念密な設計が必要になる。みんなで考えるという手法は決して誰かの意思でものごとが決定し、自動的になにかが進んでいくような他律的なものではない。

ワークショップという言葉も一般化し、多くの人が主体形成としてのワークショップの効力を疑うことなく認めている。
自分自身も主体形成に関しては、ワークショップは非常に有効だと思うし、特段東北や市街地でのまちづくりのような、主体がこれまでいなかった所、もしくは今までのステークホルダーではない主体が立ち上がりつつある所に対しては、ワークショップの場所自体が意思決定の場ではなく、何か緩やかなネットワークを繋げていく場としてはなくてはならなかっただろう。
しかしながらこのワークショップ、重ねれば重ねるほど集団としてのフラストレーションが溜まることもある。ある熱気まで達することは容易できても、みんなでつくることが創作を更なる高みに引き上げることはなかなか少なかったりする。
もうだいぶ前に読んだ本「まちへのラブレター」ではこのあたりのことがわりとあからさまに触れられているので面白かった。
この本はコミュニティデザイナーの山崎さんと建築家の乾さんが往復書簡を交わすという斬新な構成なのだけど、いったって変化球的なコンセプトの本であるだけでなく、結構内容も興味深かったりする。往復書簡という形式をとることで二人の胸のうちにある疑問がそのまま、読者にも提示される。

山崎さんの坊主スタイルをゲイカルチャーを代表するかのような風貌と言ってみたり、いちいち毒を含む挨拶を往復書簡の冒頭にぶち込んでくる乾さんは、いちいち面白いのはさてき、乾さんは終始コミュニティで何かをつくるということに懐疑的だった作り手というスタンスを提示する。
思えばこの本のはじまりは宮崎県延岡市の延岡駅のデザイン監修者として乾さんが、選ばれたことに端を発する。実はこのプロポーザルを手伝ったことが、僕にとって今の職場で働くきっかけでもあり最初のプロジェクトだったわけだが、公開プレゼンでは他の候補者が駅前を含めたまちづくりのビジションを提示するなか、乾さんだけが景観や市民協働型のまちづくりに対しての考察や課題を提示していた。結局この時は乾さんの誠実さを示した変化球のようでド真ん中ストレートのようなプレゼンの前に負けてしまったわけだけど、その直後に東日本大震災が発生し実践型のまちづくりの現場に一気に飛び込むことになる。

さて話がそれてしまったけど、
ワークショップは果たして創造的な働きをするのだろうか。
例えばまちに公共施設ができる時、地権者たちの権利の調整や運営側の言い分、そして複雑な行政手続きに伴う仕事に忙殺されて、まちのユーザーであるはずの市民の声は、なおざりにされることが多い。こうした時ワークショップは大きな役割を果たす。公共の場所で募った意見たちは、個々の発言を超えて、俯瞰された意見になる。だからといってそこには多数決=市民の声と捉える必要はない。大きな意見よりも声に出せない小さな意見を慮ることも本質的には重要なことだ。

本書ではそうしたワークショップの側面以上に、形や色を決めるプロ(デザイナー)と場を使うプロ(市民)が協働する創造的なプロセスこそ、参加のデザインの醍醐味だと捉える。そして参加のデザインの向こう側に多くの可能性を見出す。
そこでふと思い出した話がある。建築家の内藤廣氏が中南米で図書館をつくったときのこと。まちじゅうの人が集い、祝い、夜通しお祭り騒ぎが起こったというエピソードがあった。建築を建てること、地域に公共建築が完成することは、本来そういった祝祭の場であっただろう。
しかしながらそれはある地域社会が求める建築が非常に明快である状況に限られるのかもしれない。図書館さえなかった辺境のまちに本がある場が出来る。それは誰もが歓迎し、誰もが明快にその必要性を語れるだろう。しかしながら縮小化する社会においては、誰のために何をつくるかさえも明確ではない。まずはつくるこが歓迎されるような環境づくりが重要だ。

自分のまちに公共施設がつくられることも対岸の火事がごとく関心が薄れて来てしまっている昨今、建造環境以前に建築環境をつくることに、建築的な思考はどうやって寄与できるだろうか。いずれにせよ“建築をつくる環境”をつくることさえも、大きな建築の仕事になることは間違いがなさそうだ。つまりみんなでつくることの設計が求められることが時流になったということだ。

Text:勝邦義

2015.5.13 【レポート】いしのまき本の教室:ブックカフェのはじめかた text by 本棚くん

「いしのまき 本の教室」第1弾「ブックカフェのはじめかた」は、仙台のブックカフェ「火星の庭」の前野久美子さんを講師にお迎えして5月9日に開催されました。
参加者は21名、地元の方以外にも、仙台、丸森、東松島、福島の方もいらっしゃって、「火星の庭」と前野さんの威力をあらためて思い知らされました!

DSC06475

第一部は、前野さんがブックカフェを始めたいきさつからスタート。「火星の庭」の運営を例にして「ブックカフェを生業とすること」を、具体的な数字を交えながらお話してくださいました。
あまりに具体的なので経営の難しさを実感でき、いやぁまいったなー!という気分になりましたが、軽々とお話する前野さんにどんどん引き込まれていきました。

DSC06477

そして近頃のブックカフェブームに嫌気がさし?海外の本屋めぐりをした時のお話へ。
ニューヨークと台湾でめぐった本屋さんを紹介しながら、刺激をうけた様子を大いに語ってくださいました。純粋に「本」に出会い楽しめる場所、街、人々をいきいきと感じられるお話でした。最後に前野さん「ブックカフェをやろうと思っている人は台湾の本屋に行け!」

ふたたび経営の話に戻り、ブックカフェといっても、さまざまなスタイルがあること、都会と地方ではやりかたが違ってくること、などのお話から「大切なのは自分がどうしていきたいのかのイメージをしっかり持つこと」ということで、第二部のワークショップに突入です!

第二部のワークショップはテーマが2つあり、まずは作りたいお店のイメージをワークシートに記入するところから。
ワークシートには、「お店の立地は?」「本は何冊?」「お客さんは何人?」など細かい質問が並び、最後は「ブックカフェの見取り図」を書きます。ただしここでは、あくまで理想100%で書くこと。実際はない条件でOKということで、みなさん自由に書き込んでいました。
20分ほどかけて書いたワークシートをテーブルに並べ、今度はそれぞれ、行ってみたいと思ったシートに投票していきます。一人3つ投票するのですが、時間が少なくなかなか難しかったですが楽しい作業でした。印が多かった上位3名の方にはくわしく発表していただきました。
DSC06491

ワークショップ2つ目は「模擬値付け体験」。今回の講座では、「もしブックカフェをひらいた時、本棚に並べたい本」を一冊持って来ていただきました。それを全部並べて、各自「欲しい!」と思う本の落札価格を書いた紙を、本の上に置いた封筒に入れます。「実際は一瞬だからね!一瞬!」・・・と言われても。実際の入札には、とても及びませんが、どんなしくみで古本を落札するのか、楽しく体験させていただきました。

今回の参加者の中には、実際にブックカフェの準備をすすめている方が何人かいらっしゃって、講座後の打ち上げも熱く盛り上がったのでした。
今後、いろんな所に、本のある個性的なスペースが増えて行くような期待が感じられ、嬉しい日にもなりました。

2015.4.29 【ココが魅力その2】5/9いしのまき本の教室 ブックカフェのはじめかた text by 本棚くん

【5/9開催 ブックカフェのはじめかた】 

ブックカフェとはどういうお店でしょうか?
「本とコーヒー。そのふたつがある、贅沢な時間を過ごすことができる場所。それが『ブックカフェ』である。だが一口に『ブックカフェ』といっても、その形態はさまざまだ。本屋さんの一角にカフェがあり、買った本をすぐその場で読むことができる店もあれば、棚にある蔵書の中から好きなものを取り出して読める、私設図書館のようなところもある。さらに個人オーナーが開いた店ならば、『ブックカフェの数だけ、スタイルがある』と言ってもいいくらい、そのかたちは少しずつ異なってくる」
(矢部智子・今井京助『ブックカフェものがたり』幻戯書房、2005)

おおざっぱに言って、2000年代に入ってから、「ブックカフェ」という呼び名を耳にするようになりました。「マンガ喫茶」のように店内に本や雑誌を置く喫茶店は以前からあるのですが、本が店内の主役であり、ディスプレイにもなっているようカフェは、この頃から増えていきました。大手書店が店内にカフェを設けたことも、ブックカフェ・ブームの呼び水になったと言えます。
今回の「ブックカフェのはじめかた」講座で、講師を務めてくださる前野久美子さんは、さまざまな職業を経て、ご主人の前野健一さんと2000年に仙台で〈book cafe火星の庭〉を開きました。古本とカフェという、業態の異なるふたつをバランスを取りながら経営しています。15年続いているブックカフェは、全国的に見てもまだ少ないはずです。

前野さんの編著『ブックカフェのある街』(仙台文庫)には、店をはじめるまでの経緯や、開店準備のあれこれ、店を続けていくために必要なことが書かれています。また、店でのイベントが発展して、「Book! Book! Sendai」というブックイベントがはじまり、仙台の街で本に関わる人たちがさまざまなアクションを起こす様子も、同書で判ります。石巻まちの本棚でも販売しているので、ぜひお手に取ってみてください。
今回の講座は、ブックカフェはもちろん、「いつかは自分の店を持ちたい」という夢をお持ちの方にとって、多くの事例と豊富な経験を元に学ぶことができる、いい機会だと思います。

また、店を持ちたいという希望はなくても、ブックカフェという業態や、古本屋、カフェそれぞれの愛好者にとっても、興味深い場になると思います。仙台や石巻の一箱古本市に参加したことのある方も歓迎です。お気軽にご参加ください!

11187398_1569224183338248_2765525303001977604_o 11140331_1569224380004895_2129907105474544657_n

2015.4.23 【ココが魅力その1】5/9 いしのまき本の教室 「ブックカフェのはじめかた」 text by 本棚くん

5月9日(土)開催の「ブックカフェのはじめかた」は、こんな風に進行します。

前半は、講師の前野久美子さんのお店である〈book cafe火星の庭〉や、前野さんが訪れたブックカフェ(ニューヨーク、台湾もふくめ)を例に、ブックカフェについてのレクチャーをしていただきます。

後半では、参加者に自分がやりたいブックカフェの構想(お店のレイアウト、カフェメニューなど)をシートに記入して発表(参加者同士で見せ合えるように並べて見る)します。最後に、参加者が持参してもらった本の値付けを体験します。
参加される方は、「自分がブックカフェをひらいたとき、本棚に並べたい本」を1冊持参してください。この本を使って、模擬値付け体験をしますのでお願いします。

この講座に参加すれば、ブックカフェとはどういう仕事か、店を始めるためにはどんな準備が必要かが分かります。「いつかは自分の店を持ちたい」と夢見ている方には、最適の機会です。
また、カフェが好きな方、古本屋さんが好きな方も、歓迎です。この講座に参加して、最近の傾向を知ると、次からお店に通うのがもっと楽しくなるはずです!
258

260

2015.4.12 【レポート】皆既月食を楽しもう text by 本棚くん

石巻まちの本棚の3・4月の展示は、体験作家中野純さんによる「月夜のある生活」をテーマに選んだ本棚。月や闇に関わる興味深い本がならんでいます。
4月4日には、中野純さんによるトーク「日本人はこうして月を楽しんだ」と中野さんがガイドした「石巻・牧山ムーンライトウォーク」が開催されました。ここでは石巻まちの本棚スタッフがそのイベントの模様をお伝えします。

トーク「日本人はこうして月を楽しんだ」 
 古来より月を愛でてきた日本人。街から闇が失われ,その風習がなくなってしまったと思われるわたしたちの生活の中にも,実は,少し思いを広げると,「月の国」日本の証しが残っていることを中野さんに教えてもらいました。
XT1A0341写真:渡辺征治

 『出た出た月が~』「月」といえば,この歌。現代の私達は,月を親しむ中秋の名月のときでさえ,月を一寸「見る」だけになってしまいましたが,月が出てくるのを「待っている」歌との指摘に,なるほどと目から鱗でした。そして,「三夜待ち」という言葉や,今でも各地に残る「二十三夜堂」も見せていただき,夜中に月を待つ昔の人の楽しみを垣間見ることができました。なんと佐賀では,コンパのことを「三夜待ち」と言っているとか・・。
 米国アリゾナの高地に滞在したときのすさまじい月射しの体験談から,湿潤な日本だからこそ,月が愛おしいと思えるのだなあと「月と水のおぼろ文化」を再認識しました。
写真 1
 その他にも,月傘やムーンボー(月虹)等の月遊びを紹介していただきました。中野さんの著書『図解「月夜」の楽しみかた24』には,さらにたくさんの月遊びが紹介されています(期間中は石巻まちの本棚でも販売中)。「月の国の末裔」として,月光を楽しみ尽くす月遊びをさっそくしてみたくなりました。

石巻・牧山ムーンライトウォーク
 まちの本棚から,そのまま歩いて牧山登り口へ。そこから参加の方と合流して,零羊崎神社の参集殿へと向かいました。夕暮れに山へ向かうというのは,想像以上にわくわく感があり,初めてお会いした方とも,小さい頃の遠足や以前参加したナイトウォークの話などで盛り上がりました。
写真 2
途中,ウグイスの声,木々の芽吹き,わき水等,牧山の春を感じることができました。参集殿の大広間をお借りし,日和キッチンさんの特製月見弁当とおくずかけを美味しくいただき,まずは,一息。XT1A0354

お腹が満足したところで零羊崎神社に移動し,神社成立の経緯や、震災の時の避難所としての役割を果たしたお話を宮司の櫻谷さんからお聞きしました。
XT1A0359

XT1A0363

▼そして月夜歩きへ
零羊崎神社を出ていきなり,山中に入りました。「危ないときだけ懐中電灯をホタルのようにつけて」と教わりましたが,闇歩きになれていない私達は,絶対無理!と足下を照らしながら,転ばないように必死に中野さんについて行きました。小さな祠を巡りながら闇の中を歩くうちに,次第に現世を離れていくような・・。
写真 3
月食が始まり,さらに歩いて行くと少しずつ昇ってきた月に照らされ,月の明るさを体感しました。まるで,大きな街灯がそこかしこにあるようで,振り返るとその先には月があるのです。中野さんがトークでおっしゃっていたとおり,月でできる影はとても存在感がありました。途中,中野さんが闇の中で見えなくなる色は,「赤」という話をしてくださり,「ここには何があるでしょう。」と立ち止まりました。目を凝らしても見えるのは,月明かりに静かに光る葉だけでした。その後,懐中電灯を当てると,なんとそこは,満開のツバキが群れていました。

▼月見団子と月待ちタイム
最後の最後,今から皆既月食が見られるというときになって,雲が厚く垂れ込めてしまいました。月見団子を食べ,しばらく草原に寝転がり,月が雲間から現れるのを待ちました。春の草は優しく,体中が夜の山に溶け込んで行くようでした。月を浮かべて飲んで寿命を延ばす「飲月」は次回へ持ち越しとなりましたが、まさしく,みんなで「月待ち」を楽しんだ夜でした。 
XT1A0373  

▼夜の開館
そしてムーンライトと同時刻、まちの本棚では皆既月食の夜の開館を開催しました。天体望遠鏡による皆既月食の観察や、月見酒の実践など月とたっぷり遊んだ一日になりました。

                                     

2015.2.18 販売開始のお知らせ「石巻四次元横丁の手引き」 text by 本棚くん

アイトピア通りに開設された「日和アートセンター」から石巻まち中への熱い思いを込めて製作された「石巻四次元横丁の手引き」を,石巻まちの本棚でも販売させていただくことになりました。みなさんに手に取っていただきたいと思います。

【石巻四次元横丁の手引き】販売価格:500円
この小路はどこへ続くのだろうとわくわくした石巻まち中。
その魅力を石巻千石船の会の邊見さんはじめ,石巻の達人の方々の解説で石巻まち中の魅力が再発見できます。
さらに,震災後の写真と,浅井元義氏による震災前のスケッチを並べながら,通り・横丁・小路を一つ一つ丁寧に解説しています。

001

 

前へ 次へ

アーカイブ

page top