まちの本棚だより

2023.10.15 【レポート】石巻一箱古本市2023 text by 本棚くん

2023年10月7日(土)石巻一箱古本市が開催されました!
今年は36店舗の店主さんの応募があり、天気にも恵まれ多くの方にご来場いただけました。
会場に新たに「田中サイクル」さんや、橋通りの「ヒトコマとなり」も加わり、新たにオープンした古書店「ゆずりは書房」の前も出店場所となり、石巻市街地のお店の軒先など12箇所で展開。
石巻一箱古本市ならではのまちをめぐって、まちを歩いて楽しむ一箱古本市が開催されました!

今年の出店者は石巻市内が1/3、市外からの参加が1/3、そして宮城県外からの参加が1/3と、12回目の開催らしく多様なひろがりを象徴するような構成でした。東北で最大級の一箱古本市に相応しい、個性的な店主さんたちが集まり1日限りの本屋さんをまちなかに展開した光景は圧巻でした。

スタンプラリーも好評で全8箇所のスタンプをコンプリートするお客さんもたくさんいました。
ちなみにこのスタンプ、毎年石巻一箱古本市のアートワークを手掛けてくれている作家/福田美里さんのイラストをもとに、アイトピア通りに位置するお店「珈琲豆と手しごとのモノ『kyuu』」の北村未羽さんが手掛けてくれました。



そして今年は来場者の皆様にお昼ごはんを楽しんでもらおうとフードブースの設置もしました。
駆けつけてくれたのは、かつて橋通りにあった「橋通りCOMMON」の人気店「海街カフェ カナイ」とまちなかの大衆居酒屋「もぐもぐ」

普段は、キッチンカーでかき氷とクレープの人気店を東京で運営されている「fuwari」は店主さんが石巻出身ということもあり東京から駆けつけていただき、クレープ販売をしてくださいました!

「かめカフェ」はキッチンカーで、珈琲、フルーツドリンク、そしてchez settaのモンブラン、焼き菓子を販売しました。

「otete」はシンプルな素材を使用した、焼き菓子を販売。
まちのお惣菜屋さん「SONO」は・おまんじゅうと鹿肉のシチューパイがすぐに売り切れていました。

石巻まちの本棚では石巻の人気カフェ店「&coffee」がスコーンとクッキーを販売。
このように食欲も大いに刺激された一箱古本市になりました。

同日には石巻のマンガ発信拠点「マンガラボ ヒトコマ」のオープンセレモニーがあったりと、カルチャーでにぎわう石巻のまちなかになりました!
そして2012年の石巻一箱古本市を契機に2013年に誕生した「石巻まちの本棚」では10周年を記念して、記念グッズの販売をおこないました。
その目玉のひとつは、10周年記念冊子「本の教室はじめます」(定価:1,100円(税込))
これまで本に関わる様々な仕事や場所を運営するゲストを招いて開催した「いしのまき本の教室」の記録です。

ゲストには出版社夏葉社・島田潤一郎さんや新潟の本屋北書店の佐藤さん、仙台のブックカフェ火星の庭の前野さんなどをむかえて開催した本の教室は、書籍でみても読み応えがあります。

また本棚の入り口に開館当初から飾られたモビールがあるのですが、その作者でもある北海道在住の作家Jobinさんのオリジナルモビールやアートピースも。
これらはオンラインショップでも販売しておりますので、当日手に入れられなかった皆さんもぜひチェックいただければ幸いです。

そして各会場にはライターの南陀楼綾繁さんが販売部長をかってでてくれ、自らが看板となり、できたばかりの「本の教室はじめます」を販売してまわりました。

まちの本棚には今年著書『荒地の家族』で芥川賞を受賞した佐藤厚志さんも一箱店主として出店、ご自身が資料として集めた本や蔵書を出品しました

毎年恒例の仙台つれづれ団によるワークショップは今年は旧観慶丸商店で開催。その日の出来事を新聞づくりで振り返る「ひとはこひといきかわら版づくりワークショップ」などの企画が開催されました。

石巻まちの本棚2階に位置する「ギャラリーSetsu」ではまちなかのお店や飲食店、アーティストなどがつくったオリジナルZINEの販売をする『人・ZINE・ジン展』が開催され、様々な個性的な本がたくさん並び、なかには小学生たちの力作も。

Setsuを運営する菊地さん、佐野さん


16時の販売終了後、旧観慶丸商店で表彰式をおこないました。
総評は第1回目から石巻一箱古本市を一緒に企画するライターの南陀楼綾繁さん、

今年の石巻まちの本棚賞は57冊の本を手渡した「本と雑貨コピルアク」。なんと初参加。旧観慶丸商店に出店されていました。
絵本を中心とした楽しげな本のディスプレイに、道ゆく人が足を止めていました!

一箱本送り隊賞は、田中サイクル前に出店していた「かんのストア」
子ども店長による積極的な接客が多くのお客さんを引き寄せ、盛り上がりをみせていました。


最後はISHINOMAKI2.0賞、こちらは自然科学系の本の選書がキラリと光っていた「エトピリカ」(場所:旧観慶丸商店)さんに決定。

素敵な景品とともに会場に集まってくれた皆さんとともに受賞をお祝いしました。

今年は全店主さん合わせて900冊近くの本が、訪れた誰かのもとに手渡され。
多くの店主さんに表彰式まで参加いただきました。

最後は恒例の記念撮影。

今年も大いに盛り上がった石巻一箱古本市。来年もここでみなさんと再会できればと思います。

<写真>丹治史彦、市川達博

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