まちの本棚だより

2020.2.5 レポート「松野きぬ子さんとつくる ぞうきんワークショップ」 text by 猫ぱち

松野屋ポップアップショップ企画「あらもの雑貨の世界」の連携して開催された2月1日土曜日の松野屋社長松野弘さんのトークイベントに続き、翌日曜日は松野きぬ子さんによるぞうきんワークショップ。松野社長いわく、買わない雑貨「雑巾」をみんなでチクチクつくる楽しげな時間。
とても楽しみにしていました。
事前申し込みはのんびりな石巻ですが、結局参加者は9名。ぎゅっとテーブルを囲んだ形になりました。
一人一人に、まち針3本と縫い針1本、小ばさみがセットされ、テーブルの中央には色とりどりの糸。
きぬ子さんの雑巾づくりのお話を聞きながら、各自縫い進めていきました。

きぬ子さんの雑巾づくりは、結婚されてからお義母さまから教わったそうです。
はじめは古タオルをそのまま拭き掃除に使っていましたが、それではダメよと注意されて教えてもらったそう。
また、普段の生活で嫌なことやモヤモヤしたことがあると、とにかく雑巾で拭き掃除をしてスッキリするというお話には共感の声が多かったです。
途中、ちょっと見学のつもりが手ぬぐいの柄が気になり、飛び入り参加した方も。

きぬ子さんや参加者さんのお話から、家の仕事と外での仕事、どちらも自分をつくる大切な時間で、
癒したり学んだり、雑巾は一緒に人生を重ねる相棒のように感じました。
おしゃべりしたり黙々と手を動かす時間があったり、あっという間の2時間でした。
2枚目を縫い終わっている方もいて、それぞれの方らしい雑巾がたくさん出来上がりました。

参加くださったみなさん、松野きぬ子さん、ありがとうございました。
これから、雑巾との付き合いが長くなりそうです。
(店)


詳しい作り方はコチラ (店長直筆スケッチ)

【松野きぬ子と作るぞうきんワークショップ】
講師  松野きぬ子(松野屋)
日程  2020年2月2日(日)
時間  13:00~15:00
場所  石巻まちの本棚

2019.12.6 年末年始休業のお知らせ text by 本棚くん

平素より「石巻まちの本棚」をご利用いただきありがとうございます。
下記、年末年始の期間は休業いたします。
何卒ご了承ください。

【年末年始休業期間】
2019年12月23日(月)〜2021年1月10日(金)

*なお年明けは、1月11日(土)(11:00〜)より開館。

2019.7.25 石巻一箱古本市2019開催しました! text by 本棚くん

石巻一箱古本市2019 in STAND UP WEEK 終了しました!
今年で8回目ということもあり、8にちなんだルートを設定し、
8つの出店場所をめぐり、まちなかを回遊しながら本との出会いが楽しめる一箱古本市を計画しました。

事前の助っ人さん募集もこれまでで一番多くの人が、お手伝いに名乗りをあげてくれました。
当日は石巻まちの本棚を一緒に運営する一箱本送り隊のメンバーや、毎年遠方から助っ人として駆けつけてくれる面々も集い、年に1度の楽しい同窓会的な一面も。

雨のおそれもあり、心配していましたが、なんと快晴の1日。
今年の出店者30箱のうち県外からの出店者は9箱、県内21箱。
岩手,山形,福島からの出店も多く、文字どおり東北を代表する一箱古本市になりました。

今年も、地元福祉施設あっぷるじゃんぷの子どもたちに、スタンプラリーのスタンプを作成してもらいました。
こどもたちが「8」をキーワードに発想した様々なイラストがマップを彩りました。
個人的には尺八を書いてきた子がいてシブいなと思いましたが笑

完走の景品にはまちのお菓子屋さんChez Setta(セッタ)さんが焼いてくれた特製8の字クッキーをプレゼント。
なにからなにまで8づくしの今回の一箱古本市。

会場のひとつCOMMON-SHIP橋通りには仙台から、つれづれ団が駆けつけて「BOOK SUMMER VACATION」と題して様々なワークショップを開催。
私は「ボン中元」サービスを利用しました。顔の見えない誰かのために、会場をまわり本を選び、お中元を届けると、また誰かが自分のために本のお中元を選んでくれるという仕組み。

旧観慶丸商店では石巻で開業したふたつの古書店にも参加してもらいました。
同時開催の「昭和の石巻」映像上映では東工大真野研究室による地図ワークショップも開催。ここで生まれた思い出街歩きマップも販売しました。

今年の出店者さんたちはとても個性的。
官能小説から、青春のための選書、子ども店舗まで、まさにまちじゅうが大きな本屋さんになったかのよう。

こと石巻では地元に関心をよせる人たちが多い気がします。
本を通じてなにかをしたい人たちとの、たくさんの出会いもありました。

表彰式は旧観慶丸商店でおこなわれました。
ISHINOMAKI2.0賞は「石巻日日こども商店」さん。
石巻商工信用組合で出店していました。
なんと46冊もの本を1日で手渡し、子どもたちは各自売り方を工夫して、本屋さん体験を通じて大きく成長したようです。

一箱本送り隊賞は
同じく石巻商工信用組合で出店していた「リーブレリ風」さん
石巻で活躍されていたお父様の画集や美術書を、その価値がわかる人に手渡したいという思いのもとお店づくりをされていました。

そして
石巻まちの本棚賞は、「private books PAYANCA」さん。
前回は岩手県花巻市からの出店でしたが、今年は東京に拠点を移し東京からの参加でした。
看板や本を並べた雰囲気がとても楽しく、チョット変わった雑誌も並んでいました。

今年は工事中の場所も多かったですが、まちの変化を楽しめるのも石巻一箱古本市の醍醐味と言えるでしょう。
一箱古本市の発起人であるライターの南陀楼(なんだろう)さん曰く、
全国津々浦々に広がった一箱古本市のなかでも、
まちを回遊して楽しめる一箱古本市で、続いているのは本家、不忍の一箱古本市とココ石巻だけだということでした。
来年は工事中だった場所も新たなまちの景色をつくっていることでしょう。
また来年、石巻一箱古本市でお会いしましょう。

(かつ)

2020.9.13 ちいさな石巻一箱古本市『一箱店主・同時開催イベント紹介』 text by かつ

9月20日に開催される「ちいさな石巻一箱古本市」一箱店主のご紹介です。
同時開催イベントの情報も。

一箱店主(☆が一箱店主です)
※当日出店場所が変更となる場合もあります

① 石巻まちの本棚 <本の貸出と販売>
Event:詩人・山尾三省展 / 石巻学&石巻本フェア

一坪古本市 絵本バザー
絵本いっぱい!『大人のための子どもの本を読む会』を主宰する店主が、様々な絵本を取り揃えて出品します。お気に入りの一冊、懐かしい一冊に出会えるかも!みなさんのご来店お待ちしています。(古書店・一坪書店文庫の出店です。)

石巻学プロジェクトの一箱
石巻学編集長、大島幹雄さんの一箱を、石巻学&石巻本フェアに合わせてまちの本棚内で販売します。

☆くじらの本棚
今回のテーマは「遠くへ 近くへ 一冊の本で出掛けよう」です。どうぞ、のんびりゆっくり遊びに来てください。

② setsu <アトリエ兼ギャラリー/石巻まちの本棚2F>
一箱古本市の会場としてプレオープン。県外在住のアーティストたちの作品を展示し、彼・彼女らが影響を受けてきた本を作品とともに販売します。愛すべき友人たちを、石巻と接〈setsu〉続することがテーマです。

③ カンケイマルラボ <ギャラリー/カフェ営業あり>
Event:樋山真弓 陶展

☆石巻日日こども商店
石巻日日こども新聞のこども記者有志によるお店です。昨年は販売冊数No.1でishinomaki2.0賞に輝きました!2回目となる今年は、北上川の葦紙の手作りクラフト作品、こども商店オリジナルグッズも販売します。応援してください!!

☆花水木II
日本のほこる『マンガ文化』。すててしまうにはおしい「本」、手に取って!

④ パナックけいてい <電器店>

☆パナけいぶっくす!
いまだから野球好きの方々へ。他映画の原作本、日本のSF、明智光秀歴史ものなど少しずつ散らかします

☆ばったりたおれ屋
アートブック、旅・暮らし関連、絵本、リトルプレスなど 手作りあみぐるみもあるよ。

☆マト文庫
例年通り、読んでも明るい気持ちにはならないけれど、心に残る本を選んでお待ちしております。

☆private books PAYANCA
昨年のデビュー、そして今回も石巻にお邪魔します。好評のコミック、小説、エッセイに加え、今回は人文系学術書や洋書、アフリカ文学もご用意できそうです。恒例・店主セレクトのマニアックな洋楽CDもありますよ。

☆くものす洞
毎年恒例の本の本、読了おすすめ本、大人も楽しい自然科学の絵本、そして今年はなぜか田中小実昌なども持っていきます!

⑤ 石巻のキワマリ荘 <ギャラリー>
Event:山田はるひ個展『post-fin』
鹿野颯斗・松永忍・ちばふみ枝『Daily Scenes』展
駒嶺ちひろ・SoftRib・ミシオ『水の無いプール』展

☆おやすみ帝国
はじめまして。今回初めて出店させていただきます。読んで良かったアート系の古本を出します。屋号は会場になる路地にある僕の家の名前です。引きこもり気味が故の名前なのですが、今回3メートルほど家出をします。

⑥ IRORI石巻 <カフェ>

☆月と六ペンス
素敵な本をお持ちします。
☆書局やさぐれ
岩手の書局やさぐれです。台湾や香港の本、自作のZINEを持っていきます。今年は旅行に行けなかったので新作ありませんが、ZINEの在庫等放出します。
☆りょくし堂
絵本を中心に、東北・宮城県関連の本などなども少々持っていきたいと思います。少しでも楽しんでいただける本を持っていければと思ってます。
☆ちんじゅうや
帰って来られなかったり,会いに行けなかったりの今年。いつもの2人プラス,だんなや娘,この世を去った親の本,あれやら,これやらを集めて,これまで以上にごった煮のラインナップです。

⑦ 旧観慶丸商店 <石巻市指定文化財>
Event:つれづれ団企画「with コロナ/with ブック」  ※プログラム変更の場合あり

1.定額給付本
オリジナルの申請書に記入いただくとつれづれ団のおすすめする本が専用のしおりとともに一冊給付(無料)されます。数量限定ですのでお早めに会場へ足をお運びください。

2.ソーシャルディスたんす
会場に2m間隔のたんすが並びます。たんすの引き出しを開けて新しい本との出会いをお楽しみください。

3.無観客ブックストア
つれづれ団が販売する一箱を撮影し、イベント中、オンラインにてライブ配信を行います。

4.ブックデリバリー
イベント中にオンラインにて本のオーダーを受け付けます。希望の金額に合わせてつれづれ団員が一箱古本市の会場が本をセレクトして後日、お届けします。会場に足を運べない方にもお楽しみいただけるプログラムです。

☆鉄塔文庫
仙台いろは横丁・鉄塔文庫です。石巻出店は今回が連続9回目。ひとつひとつは小さくても、長く続く喜びや出会いがたくさんあるから続けてこられました。心は2メートルよりずっと近くに、今年も一箱お届けします。

☆あかしや
今年で2回目の参加の『あかしや』です。今年も、なんとなく気になった本を紹介出来たらうれしいです。

☆めめんと書房
昨年に続き2回目。ラテン語の「memento=思え」が店名の由来です。ジャンル雑多。今年は少し美術書を増やそうかと考えています。

2019.7.16 石巻一箱古本市2019 店主紹介 text by 本棚くん


今年の石巻一箱古本市を盛り上げてくれるステキな店主さんたちの紹介です。

①旧観慶丸商店
☆マト文庫(仙台市)
マトリョーシカの看板が目印のマト文庫です。今回も、読んでも元気にはならないけれど、心に残る本を取り揃えてお待ちしております。オマケで「業深おみくじ」もやってます。

☆一箱堂(石巻市)
文庫本色々に加えて、デザイン本、手芸本もいろいろ。興味のある方、ぜひのぞいてみて下さい。

☆ゆずりは書房(宮城県古書籍商組合・特別出店)
昭和の本を中心に出店

☆一坪書店文庫(宮城県古書籍商組合・特別出店)
文庫、新書など小さな本を均一価格で販売します!読みたい本が見つかるよ。

☆ちんじゅう組(石巻市)
 一箱古本市の夏に,ゆっくり会えるのを楽しみにしている私たち。
 今年のテーマは,「絵本」です。2人で合わせたら,どんな箱になるのか…

 それぞれの本棚から,絵本の魅力を再発見しながら,
 当日まで揃えていきたいと思います!

②IRORI石巻
☆亡羊堂(山形市)
推理・SF系の絶版文庫、さらに「チチカカコヘ」と殆どが文庫になりますが、他にも美術書・ムックなども出品予定です。マイナーな分野ですが、是非お寄りください。

☆花うた書林(仙台市)
「花と音楽の本の店」〜花うた書林です。石巻では初出店となります。花と音楽に関する国内外の様々な本を中心に、楽しく心豊かになれる絵本・アート関連の書物などもお持ちします。ご購入の方には、店主オリジナルの小さなプレゼント有。

☆浦書店(福島県)
以前から一箱古本市に興味を持っていました。楽しく、面白がれる、そんなラインナップにする予定です。

☆ばったりたおれ屋(岩手県)
写真集、アートブック、暮らし・雑貨関連、絵本、リトルプレスなど 手作りあみぐるみもあるよ

③石巻商工信用組合
☆石巻日日こども商店(石巻市)
「石巻日日こども新聞」のこども記者たちが選んだ本と、取材や表現活動から生まれたオリジナル商品の販売もあります。ぜひ、お立ち寄り下さい!

☆あかしや(気仙沼市)
初参加です。何となく好きな本をいろいろご紹介したいです。

☆くじらの本棚(塩竈市)
こんにちは。くじらの本棚です。工藤直子さんの作品『ともだちは海のにおい』に登場するくじらのように好きなときに好きなように本を読み、たくさんの本と暮らしてみたいなぁ…という夢が屋号の由来です。どうぞ、のんびりゆっくり遊びに来てください。

☆双猫屋(福島県)
福島から2回目の参加です。主なジャンルは、暮らし、本の本、猫など、軽い読み物が中心です。お立ち寄りお待ちしています

☆リーブレリ風(白石市)
石巻出身の画家・浅井元義(1938〜2018)のふるさと画集,所蔵していた美術書に加え,直筆のはがきサイズのスケッチなどを出品します。

☆口笛書店(石巻市)
石巻に生まれたばかりの小さな出版社「口笛書店」が、お客様をティーンエイジャーに限定した品揃えでお待ちしています。全部、代表がティーンの頃に影響を受けた本で、ある意味では青春の押し売りです。もちろん口笛書店の本は一冊もありません。ティーンエイジャーにはその場で読書相談にも乗ります。心はティーンのままという大人の方も遊びに来てください!

④COMMON-SHIP橋通り会場
☆フィッシュフライブックスの「おいしい本箱」(松島町)
主においしそうな食べものや料理が出てくる小説やエッセイ、旅行記やレシピ本など「おいしい本」を一箱につめたいと思います。本と料理が大好きな出店者が集めた本です。どうぞよろしくお願いします。

☆官能小寺書店(石巻市)
アメリカの官能は例えるならsolt&papper 日本の官能は、みそ、みたいな…

☆読残堂(仙台市)
人文学系の本や小説、メディア関係の本を持って行く予定です。

☆池上文庫(仙台市)
吉村昭、庄野潤三のふつうの本。ふつうの文庫本、画集、写真集など

⑤石巻市かわまち交流センター/かわべい2F
☆private books PAYANCA(東京都)
東京都葛飾区から参加します。店主の思い入れたっぷりのコミックス、人文学系学術書、文学作品がメインです。マニアックなCDもお持ちします。

☆書局やさぐれ(岩手県)
ノンフィクションや新作のZINEなど、今年も夏の石巻に、またしても中華趣味の風を運んできます。もちろん中華モノ以外の本もありますので、そちらもよろしくお願いいたします。

☆りょくし堂(東松島市)
絵本を中心に地元本など雑多にいろいろ持っていきます。気軽にのぞいて見てください。

⑥松川横丁
☆ションボリ〜BOOKS(仙台市)
いつものあれな感じの例によって

☆積ん読屋(長野県)
 様々なジャンルのエッセイを中心に面白そうな本を並べます。

☆月と六ペンス(名取市)
素敵な本をお持ちします。

☆くものす洞(石巻市)
今年も本の本、お菓子本(読み物)などなどおすすめの読了本、そしていきものの絵本を用意します。

⑦カンケイマルラボ
☆鉄塔文庫(仙台市)
昨年もたくさんのお越し、お話し、お買い上げ、ありがとうございました。8年連続(かな?)の石巻出店。今年も痒いところに手が届く品揃えと店主がお待ちします。

⑧パナックけいてい(3箱)
☆パナけいぶっくす。(石巻市)
日本のちょっと古いSFだぜい。

☆かまねこ文庫(岩手県)
イーハトーブから来た猫が店番をしています。猫の本、本の本、みちのくの本など並べます。

☆めめんと書房(東京都)
初参加です。ラテン語の「memento=思え」を店名にしました。場違い覚悟で人文書や美術書などを持っていきます。

2019.5.28 【レポート】第7回いしのまき本の教室「出版社にできること」 text by 本棚くん

いしのまき本の教室「出版社にできること
いま子どもたちに大人気の「おしりたんてい」、長く子どもたちに愛読されている「かいけつゾロリ」など、主に子ども向けの本を出版し、なおかつ現在も大ヒット作を生み出しているのが株式会社ポプラ社さんです。そのポプラ社の社長である千葉均さんがなんと石巻のご出身…ということで、このたび石巻まちの本棚と縁がつながり、本の教室の講師として来ていただけることになりました。聞き手は信陽堂編集室/一箱本送り隊の丹治史彦さん。

今回は、まず千葉さんの石巻時代からポプラ社の社長になるまでの長い自己紹介からスタートです。

湊小入学・湊ニ小卒・湊中・石巻高校そして東京大学へ。理系で研究者志望でしたが方向転換して金融の世界へ就職。転職を経て独立しコンサルタント会社をされていましたが、モノを生み出す会社で貢献したいと考えていたところ、ポプラ社が財務担当者を探しているという話があり、二つ返事で入社したのが10年前。本好きではあったけれど、出版など考えたこともなかったそうです。これまで縁のなかった業界へ飛び込み、財務担当者としてポプラ社の経営を立て直し、3年前に社長に就任されました。

石巻のお話を…と話がむけられると、小中学校の時のことはあまり覚えていないのです…と恐縮されつつ、高校生活の話を伺いましたが、そのおぼろげな記憶の中でも、石巻高校の生徒心得綱領の3つのうちの最後の一つ「質實剛健新取獨創自ラ新運ヲ開拓スベシ」という言葉は、今でも強く胸に刻まれているそうです。これぞ「鰐稜」(石巻高校の地元での愛称です)精神!同窓の方は頷いていらっしゃる方も多いはず。

社会人になり、石巻を顧みることも無くなっていた千葉さんですが、転機はやはり東日本大震災。でも個人として石巻になにもできなかったという後ろめたい気落ちでいたところ、社長に就任した頃から不思議と石巻との縁がいくつも繋がります。その後は石巻出身として開き直り、ずっとなにかの形で石巻と関わりたいと思っていたそうでです。「今回素晴らしい機会を与えていただきましてありがとうございます!自分の中のわだかまりが少し溶けたかな…」と素直におっしゃられていたのが印象的でした。

今日も、たまたま本棚滞在中に「おしりたんてい」が売れたそうです。ポプラ社の本が売れているところを目にすると胸が熱くなって感動するという千葉さん。モノを作り出す会社の醍醐味ですね。スマートで穏やかな方なのですが、意外と情熱家なのですね。社長になったからには、子どもたちを少しでも幸せにしたい。一人でも多くの子どもたちに本を読んでもらいたいとのこと。

そして後半は出版社の経営、そして出版業界の構造改革の話になりました。

本は「再販制度」という独特の制度の下で流通しています。その特殊な商習慣についてわかりやすく説明していただきながら、これまで行ってきた自社の財務の立て直し、さらには出版業界全体の構造改革へと話が進みます。

出版社は取次と呼ばれる問屋さんに出荷した時点で「売上」となるのですが、後日書店で売れなかった本が返本されてくるとその分がマイナスになります。今やこの返本率が業界全体で平均40%程だそうで、これが出版社の経営、そして業界全体の効率を悪くしている原因の1つです。単純に返本を減らせば利益率が高くなるのは当然なのですが、業界の長年の習慣がそれを難しくしていたとのこと。

これまで全く別の業界にいたからこそ、経営者として出版業界の独特の経営方法に疑問を持ち、社員から反対されながらも、こうすればきっと良くなるという信念と「自ラ新運ヲ開拓スベシ」の精神を持ち、経営改革を進めてこられた千葉さん。こう書くと、バリバリの経営者をイメージするところですが、語り口はとてもやさしく穏やかなのです。

ポプラ社は、たくさんの子どもたちを本好きにすることを目指し、子どもたちが自ら手に取ってくれる本を作るという理念がありました。そのためには、社員がワクワクしながら本を作る会社にしたい。そして社員がハッピーになったその先は、苦しんでいる書店・運送業者・そして作家さんたちにも利益がまわるようにして、業界全体をハッピーにしたい。その構造改革のため、まだまだたくさんの構想もお持ちのようで、ここでも「開拓」の精神をみた思いがしました。

我々のお客様は子どもたち。子どもたちを幸せにしたい。みなさんには希望あふれる未来が待っているということを伝えたい…とおっしゃる千葉社長、そしてポプラ社の皆さんの熱い思いを、参加者みんなが受け止めたことと思います。あの「おしりたんてい」のヒットの裏には、こんな思いが詰まっていたとは!なんだかポプラ社さんの本がちょっと違って見えてきました。

いしのまき本の教室開始前に石巻日日子ども新聞の記者に取材される千葉社長

今回はこれまでになく「ビジネス」なお話でしたが、すっかりお話に引き込まれてしまいました。今もなお夢を持ってお仕事をされていて、静かな語り口からもワクワク感が伝わってきました。私たちまちの本棚も、子どもたちがワクワクして本を手に取ることのできる場として頑張ります!

帰り際、どんな本がお好きなのかお聞きしたところ、大人になってから節目節目で夏目漱石を通して読むのだそうです。その時々で印象が違うのだとか。漱石は大人になってからこそ読むべきだとも。なるほど。

そんな千葉さん、これからはちょくちょく石巻に帰ってきますおっしゃっていました。またのご来石お待ちしております。ありがとうございました!

(ら)

2018.12.14 【レポート】ちいさな出版物の設計図を作るワークショップ text by 本棚くん

第6回目となる「いしのまき本の教室」は、前回の本の教室から約1年半ぶりの開催となりました。
講師は、ライターで編集者の南陀楼綾繁さん。今回の「ちいさな出版物の設計図を作るワークショップ」は全国各地で開催している人気の講座ですが、石巻では初めてです。
内容は、本や雑誌をつくること、やってみたいけどどうすれば最初の一歩が踏み出せるか判らない、という人たちの「入り口」となるような講座で、作りたいイメージを形にしてみる、いわゆる「ラフ」を作ってみるというものでした。

石巻だけでなく県外の方からの申込みもあり、定員を超える参加が!「本を作りたい」という方が多いことに驚きました。
ほぼ時間通りに始まり、まずは講座についての説明があり、続いて参加された方の自己紹介、参加の動機、持参した好きな本について話していただきました。
作りたいものは、旅行記、日記、活動を紹介するもの、今作っているものを良くしたい、好きなものについて熱く紹介したい・・・などなど既に読んでみたいと思わせるものばかり。


そして、南陀楼さんが集めたフリーペーパーや冊子を、アドバイスを含めながら紹介していくのですが、次から次へと紹介される本は、様々なスタイルやテーマを持って作られ、どれも熱い想いや勢いがあってついじっくり読んでしまいました。また、継続して作られているということも印象的でした。
さていよいよ後半1時間で、実際に各自「ラフ」作りに入ります。
・どのような形にするか?(1枚、冊子、袋雑誌etc.)
・有料or無料?
・縦書きor横書き?
・サイズは?
・タイトルは?
・テーマは?
・内容は?
を基に、手を動かしながら考えていきました。
残り10分くらいから発表。みなさん最初にお話いただいたものよりも、作りたいイメージやテーマが広がり、楽しそうに発表されていました。
ところで石巻まちの本棚のスタッフには、実は南陀楼さんより課題が出ていました。スタッフ1組になって、「まちの本棚の活動を伝える本」を考えるのです。
結果、
・日頃のまちの本棚の活動を伝えたら?
・まちの本棚をもっと知ってもらい、足を運んでもらいたい
・個性的なスタッフの顔が見えるようなものに
・本を様々な角度で紹介したい
・いろいろなお店やスペースに置いてもらいたいetc.
ということで、「まちの本棚新聞」を発行するという方向になり、ひろぴ画伯のすばらしいラフによりさらにがっつりとハードルを上げてしまった本棚チームでした。

今回の講座は、様々な表現方法があり、作り手の想いや、人となりが直に伝わるような「ちいさな出版物」に改めてワクワクしました。表現て何なんだろうなんて思っていても、沢山のちいさな出版物や、参加された方のこういうものが作りたいという楽しそうな空気に触れていると、どんどん垣根がなくなっていくような感覚になります。
取りあえず勢いでも作ってみること、楽しいや好きから始めてみること、続けること、この本の教室などを通して共通して教わるこれらは、最近やっと身体でわかってきました。

そんなことで、第2回目のちいさな出版物の設計図を作るワークショップをぜひやりたいと思った次第です。

第6回いしのまき本の教室
ちいさな出版物の設計図を作るワークショップ
講師 / 南陀楼綾繁さん
日時 / 2018年12月7日(金)18:30-21:00
場所 / 石巻まちの本棚
参加費 / 2500円(材料費含む)
参加者 / 13名
持ち物 / 自分の好きな雑誌、リトルプレス、フリーペーパーなど1冊。筆記具。

2018.8.17 【レポート】早川ユミさんちくちくワークショップ text by 本棚くん


今年で2回目となる早川ユミさんのちくちくワークショップ
石巻、仙台、登米、古川などから14名参加くださいました。

今回も、当日のお昼に石巻に到着、そのままワークショップの準備に入られるというタイトなスケジュールだったユミさん。
前日は、石巻では「石巻一箱古本市」、参加された店主さんがまちの本棚に立ち寄ってくださったり終始にぎやかでしたが、スタッフの方がバテ気味でした(笑)。

ワークショップは、ほぼ時間通りにスタート。
ユミさんが用意してくださった布の中からそれぞれ好きな布と、糸と針もお借りして、自分が使いやすいものを選びました。
見本のバッグは思ったよりも大きなバッグで、布を折り紙のように折って形を作ります。
縫う場所は4か所。今回の目玉?は、布どうしをはぎ合わせたところの刺繍です。色糸をひたすら巻き縫いしていくのですが、みなさん早くその部分を刺したくてウズウズしているようでした(笑)。
ユミさん曰く、「石巻の方は、手が早い!説明しなくてもどんどん進んじゃうのよね(笑)」

手を動かしながら、まずはユミさんの本のお話から。
今まで書かれた本を1冊1冊紹介しながら、今感じていることやお弟子さんとの暮らしなどで再確認したことなどを話してくださいました。
ユミさんが大切なこととして話されたなかで心に残ったことばは
・「豊かさ」とは、「つくる」こと
・美しく暮らすこと
・火を焚くこと
・親以外の大人と出会うこと
・会いたい人にはどんどん会いに行こう(アポイントはとること!)
その他、お弟子さんがどうしたら自分を表現できるようになるか、「自分の仕事」を生み出すことができるか模索しているというのは身につまされました。


後半は、参加者の自己紹介と、ユミさんの本の感想など自由に話す時間です。そして「得意料理」がリクエストでした。
ユミさんの話を聞いて思い出したこと、向き合っていること、取り組んでいる仕事のことなど、参加されたそれぞれの方の胸の内がちょっとずつ語られていくのは、ちくちくしながらのおかげなのでしょうか。
お題の「得意料理」は、みなさんあったりなかったりでしたが、「得意料理は、家族との暮らしのなかでできていくから大丈夫」の言葉に、日々のご飯の大切さと楽しさを思い出しました。


ワークショップで完成した作品のひとつです。

ワークショップが落ち着いたのは、結局18時すぎ。
惜しまれつつの散会でした。
石巻でのワークショップは、長いスパンで考えていると言ってくださったユミさん。
こうして石巻に心を寄せてくださることに感謝しています。

今年は、なんと石巻の3人の作家とのコラボレーション展も実現してくださいました。
作品が送られてくるまで、どのような作品になっているのかわかりませんでしたが、箱を開けた時の感動は忘れられません。
ユミさんがどのように作品をつくられるのか、現場に行ってみたい!と思いました。

(店長)

【早川ユミさんちくちくワークショップ】
「縄文ポシェットをつくる」
2018年7月29日(日) 15:00〜17:00
場所  石巻まちの本棚

2018.8.3 石巻一箱古本市2018 開催レポート text by 本棚くん

去る7月28日(土)に石巻一箱古本市2018が開催されました。
今年は32店舗が出店し、石巻まちなかに1日だけの本屋さんが出現しました。


今年の会場は中心市街地のアイトピア通りおよび橋通りに集中させ、店主さんとの密なコミュニケーションをお客さんが楽しめるようにしました。

毎年開催しているスタンプラリーでは、地元のあっぷるじゃんぷの子供たちの作品をスタンプに。
全てのスタンプを集めた方には景品として素敵なポストカードがもらえました。

新たに会場に加わったのは2箇所。
そのひとつ石巻市指定文化財旧観慶丸商店では8店舗の一箱出店に加えて、つれづれ団による「古本縁日」が開催されました!
やぐらが組まれた「本のやぐら」に加え、本の射的、本の釣りなど本を使った楽しい縁日の雰囲気が観慶丸に広がりました。

もうひとつの新会場、橋通りCOMMONがパワーアップした「COMMON-SHIP 橋通り」では8店舗が出店。
同会場では地元作家による美術展「分岐展」も開催されており、飲食店とともににぎわいをつくりだしていました。

石巻商工信用組合の軒先では8店舗が横に並んで出店。
こちらもたいへんな盛り上がりをみせていました。
途中スタンプラリーのスタンプを作ってくれた子供たちも登場し、スタンプを押してくれました!

IRORI石巻では6店舗が出店。家具工房である石巻工房が梱包材をつかったオリジナルのバックづくりワークショップをおこないました。

カンケイマルラボの軒先には2店舗と仙台から移動販売書店ペンギン文庫が駆けつけてくれました。

そして石巻まちの本棚では「早川ユミさんのちくちく展」を開催。

16時の終了後は旧観慶丸商店で表彰式。
毎年皆勤賞だったライターの石井ゆかりさんは今年は残念ながら欠席でしたが、今年も石井ゆかり賞は健在。
売り上げた本の冊数が一番多かった「ションボリーBooks」が受賞しました。
賞品の素敵なレターセットに大感激。そのほかの受賞者は以下。

・石井ゆかり賞
ションボリーBooks

・石巻工房賞
蛇田のほんやさん

・ISHINOMAKI2.0賞
マト文庫

・一箱本送り隊賞
葉っぱ屋

今年は助っ人も充実。事前の準備作業が多かったのですが、たくさんの方が関わってくれたことに新たな広がりを感じました。

最後は店主さんたち助っ人さんたちで記念写真をパシャリ。
ご参加いただいた皆様、まことにありがとうございます!
来年もここでお会いできることを楽しみにしています。

2018.7.26 【石巻一箱古本市2018】マップ完成 text by 本棚くん

いよいよ今週末は石巻一箱古本市2018。
当日を楽しむためのマップが完成しました。会場で配布しています。
スタンプラリーをすべて集めると素敵な景品と交換できます。
ぜひすべての店舗をまわってみてください。
同日はほかにも素敵なイベントがいっぱい。勝手ながらおすすめイベントも紹介しています。

チラシおもて面.pdf

チラシうら面.pdf

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