まちの本棚だより

2025.10.11 【レポート】石巻一箱古本市2025 text by 本棚くん

石巻一箱古本市2025が10月4日(土)に開催されました。
今年は41店舗の出店があり、まちなかの10カ所の会場はたくさんの人たちであふれました。
今年の石巻一箱古本市は店主募集開始からほどなくして、多くの出店希望の方から申し込みをいただき早々に定員に達していました。

全国各地から多くの参加出店者が集まり、遠くは東京都や秋田県からの店主も。
41店舗中、石巻市内からの参加も14店舗におよびました。

そして石巻一箱古本市に初出店の方は18店舗になり、毎年新たな出店者に加わっていただけることもとても嬉しい状況です。


みなさんの創意工夫あふれる一箱づくりにより、本をめぐる体験がとても楽しいものになりました。

シアターキネマティカ会場では、昨年に引き続き宮城県大崎市から「テンガロン古書店」が特別出店。
オレンジ色の幌をのせた軽トラックで、古本を販売している移動型古書店。

飲食施設BUNKABOXに今年オープンした「カレー屋DISCO」がカレーを店頭販売したり、隣接するクラフトビールのタップルームやカフェシティライツで、本めぐりのあいまに休憩される方々もいて、なんともおだやかな景色でした。

シアターキネマティカでは一箱古本市に合わせて、本を愛する人たちの映画を特別上映しました。

1本目は最後の無頼派と呼ばれた編集者・長田洋一の本を愛した姿を追ったドキュメンタリー『editor.O』。
2本目は自称絵日記作家で「ささやかな天才」と呼ばれる神山恭昭さんの、ほそぼそと芸術に生きる姿を追ったドキュメンタリー。どちらも過去にキネマティカで大人気だった映画です。

毎年新たな会場が加わることもあります。今年新たに会場として加わったのが、中央一丁目「旧魚長商店」かつての魚屋さんを舞台に本のマーケットを展開しました。




石巻のまちなかで唯一の古書店「ゆずりは書房」もこの日は特別開店。レアな古書の発見におどろくお客さんもチラホラ。


ケンケイマルラボ横には山形からペンギン文庫が出店。大きなブックトラックを空き地に展開しました。
石巻一箱古本市に合わせて選書したという新刊書籍はどれも興味深いものばかり。

IRORI石巻会場ではフードマーケット「LOVELY LIFE LINE」が開催されました。
石巻市内の飲食店や、お花屋さん、アーティストたちのフリーマーケットなど。今日だけの特別メニューで本めぐりのあいだに立ち寄れる美味しい休息地となっていました。




「石巻まちの本棚」会場ではスタンプラリーの景品交換とZINEの販売をおこないました。
今年7月からスタートした講座「はじめて本をつくってみる」は いしのまき本の教室としてははじめての連続講座でした。

参加者たちと講師のあまのさくやさんと一緒に奮闘し、つくりあげたZINEたちが並び一部のZINEは販売もされました。
私のつくったZINEも全部完売したと聞いて嬉しかったです。

そして絵はんこ作家でもあるあまのさくやさんには今年もスタンプラリーの制作も担当いただきました。
6色のインクを押すと図柄がひとつづつ完成していきます。


どんな図柄が完成するかは、ひとつひとつ押してみたいとわからない。
最後までどんな絵ができあがるか楽しみにしながら、参加者たちはまちを歩いて図柄を完成させていました。



あっという間に終了時間の16時になり、
その後は旧観慶丸商店会場で表彰式をおこないました。

今年の一箱古本市で一番来場者に本を届けたのは、石巻商工信用組合会場「YO・まん屋」さん、なんとその数92冊。複数刊のセット販売があり、多くの来場者に本が渡されました。

そして「石巻まちの本棚」賞は商工信用組合会場の「七つ日」さんが受賞されました。

「ISHINOMAKI2.0賞」は14回出場しているパナックけいてい会場の「パナけいブックす。」が受賞しました。
まちのでんき屋さんパナックけいていは石巻一箱古本市開催のきっかけとなった街のお店のひとつ。実は全14回の石巻一箱古本市参加皆勤賞の唯一の一箱店主さんでもあります。



毎年秋に、1日だけの長い本屋さんをみなさんとつくる「石巻一箱古本市」本と商店街を楽しみ、まちかどに文化のいろどりを加えるブックイベントです。
出店いただいた店主さんや多くの助っ人ボランティアさん、そして毎年楽しみに足を運んでくれるお客様に感謝もうしあげます。
また来年もお会いできればと思います。

写真:阿部朋未

テキスト:勝邦義

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