まちの本棚だより

カテゴリー:レポート
猫九

2016.6.28 【レポート】第3回いしのまき本の教室「これからの本屋のしごと」 text by 猫九

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当日直前まで、予約が少なくちょっとハラハラしましたが、実際に古本屋さんを始めるという方、なんか面白そうだからという方など総勢20名くらいの方が参加してくださいました。

まずは自己紹介からお話いただき、なぜ本の世界に興味を持ったのかをお聞きしました。
拾った雑誌がきっかけで本の面白さに目覚めたという上野さん。
まったく興味がない雑誌だったそうですが何気なくパラパラめくっているうちに、カッコいい!と感じる写真ページに遭遇。自分の知らない世界を教えてくれるところに惹かれたそうです。

そして最初は公務員だったという上野さんが、なぜ本を売る仕事をするようになったか、「古書水の森」オープンまでのお話へ。
東京で公務員をしていましたが、自分には合わないと感じ仕事を辞め、仙台にもどってきたのが20代半ばのこと。
最初は、レコードやCD、音楽に関する本をヤフオクやアマゾンに出品してみたところ面白いように売れたそう。
それから、放浪しながら仕入れては売る、という生活をしばらく続ける日々の中、生活拠点を構えたいと思うようになり仙台に落ち着く。
その後地元の先輩と組んだり、放浪したり、また人と組んで別れてを経て、本格的に古書組合に入り2014年3月「古書 水の森」開業に至ったそうです。

上野節がさく裂する中、南陀楼綾繁さんに軌道修正していただき具体的なしごとのお話に。
・火曜日と金曜日が集荷日。土、日は仕入れに東京へ。
・午前中は朝イチで東京のフリーマーケットを物色→10~11時~ 古本屋めぐり
一度の仕入れで段ボール5~10箱になるそうです。

~上野さんの本の仕入れのルール~
・せどり(掘り出しものを販売して利益を稼ぐこと)して出たもうけ分は本を買ったところで使う。
・得意分野の本だけでなく、広い分野の本を扱う。相場などわからない本はよく調べる。
・戦いにいくつもりで、真剣勝負で行く!
・競りの時は、攻めるけれど火傷しない程度に、という冷静な目を持つ
・好きな言葉「今も戦国時代だけど、殺されないだけマシ」
古書組合の先輩が話していたそうで、不安な時や迷った時にその言葉を思い出すと勇気が出るそうです。

対面販売と違って少ない情報だけで販売されるオンラインでは、どういうことに気を付けるのか?情報の出し方は?という質問には、
気を付けているのは、古本に慣れていない人もいるので、状態はちょっと悪く書くこと。
本人の意識では、「オンラインだから」ということはなく、実店舗で売っていると同じ感覚なのだそうです。

トークの後は「値付けワークショップ」です。
参加者お一人2冊をまちの本棚の蔵書から選んでいただき、それぞれの感覚で値段をつけて発表し、上野さんにコメントをいただくというものです。
お一人お一人の本の解説と、付けた値段の理由を聞かせてもらうとどの値段も納得してしまい、上野さんも感激されていました。
ここで選んだ本は、そのまままちの本棚で販売されます。一箱古本市の出店の面白さも体験できるワークショップになったと思います。

上野さんのちょっとユルそうな話し方にうっかりしてしまいますが、仕入れの時の挑む姿勢から、「好き」や「趣味」ではできない仕事だと知らされつつも、本に対する愛情を根底に感じるお話で、まちの本棚のスタッフとしても刺激をいただいた「本の教室」でした。
(店長)

本の教室・トーク 本の教室・ワークショップ

第3回 いしのまき本の教室  
「これからの本屋のしごと」
日時:2016年6月25日(土)18:30-20:00
講師:上野好之さん(古書 水の森)  
聞き手:勝邦義さん(石巻まちの本棚)

本棚くん

2016.2.29 【レポート】手紡ぎ作家吉田麻子さんのワークショップ「モヶモヶひつじと本のある休日」 text by 本棚くん

今年の冬も,毛紡ぎ作家の吉田麻子さんと羊に関わるワークショップを開催することができました。
麻子さんが最初に石巻入りしたのは,2013年の2月。伝説の「モヶモヶこたつビヨリ」。日和アートセンターレジデンスプログラムで、1か月滞在してくださったので、コタツにあたりに行った方もいらしゃるのではないでしょうか。それからまちの本棚では,2015年の2月に麻子さんをお招きして以来、今回で3回目のワークショップとなります。

「モヶモヶひつじとふれあって」2/27
1日目は、原毛のごみとりなど糸つむぎの下準備作業をしていただきました。早速、麻子さんに会いに来る方もいらっしゃって、みなさん麻子さんが来るのを待っていたのですね。羊毛の生かし方を知りたくて情報を集めたら、このイベントがあることを知り,遠方からわざわざ麻子さんに話を聞きに来る方もありました。石巻周辺でも麻子さんを中心に桃生町,南三陸町・・と羊毛の良さが広がって行っているようです!

「モヶモヶひつじコースター作り〜ひつじかいのお話とおいしいパン付き」2/28 第1部
2日目前半のWSは,ひつじコースター作りです。麻子さんのごあいさつの後,羊飼い歴2年,奈良県出身の高橋さんがさとうみファームの紹介をしてくれました。震災後,観光客が激減した南三陸を活性化したいとがんばっているそうです。牧場は200頭を目指しているそう。この春20頭が生まれて現在40頭になっているそうです!桃生,南三陸,はまぐり浜クロシの羊たちの紹介もありました。それぞれ羊の種類が違うんですね。
そして,いよいよコースター作りがはじまりました。まずは羊毛でタワーを作ります。「このままでいいわ。ほわほわに触っていた~い。」と触っているうちに,みんなの顔もほわほわになってきました。

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次にアルカリ性の洗剤を水に溶かしたものを毛にかけて手でぺったんこに。麻子さんが、目をつぶり、「イメージしてください。羊の毛一本一本が絡み合っていきます。今から7分間優しくなでます。」これを表裏表裏と何度も繰り返していきます。7分は,麻子さんの勘だそうです。自分だけで作ろうとして失敗する人も少なくないそうですが,ひたすらなでる!「大学の先生には,最初は赤ちゃんの背中,最後の方は夫の背中をなでるようにと教わったんですよ。でも,学生の時にはその意味がよく分からなくて・・」いう話に,みんなで大笑い。
さらに,はまぐり浜クロシの黒い毛で脚や顔を付けました。一人一人工夫を凝らしていました。羊飼いさんはこだわってひづめを付けていました。だんだん熱気が帯びてきて暑い暑いと言い出す方が出てくるほどでした。最後は,ロール状にしてくるくると擦る「エキサイトタイム!」ここからはどんどんフェルト化進み,きゅっと引き締まってきました。お湯で洗ってさらにこすってできあがり。

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羊飼いさんの話はとても新鮮でした。雄1頭に40頭のメスがつくと聞いて「思わずけんかしないんですか?」という質問も出ました。大丈夫けんかしないそうですよ!また,ストレスが毛に表れるそうで,年に1回毛刈りをすることから引っ張って切れた位置でだいたいストレスがかかった時期が分かるそうです。なるほど~
そして話は,食べる方へ・・。
今日は南三陸町のイベントで羊骨スープが振る舞われているそうです。 豚骨風の白いスープになるそうでラーメンにして食べると聞いて「食べてみた~い。」と声が上がりました。今のところ,イベントの時のみで,売り出されてはいないそうです。また,出荷前に海草を食べた「わかめ羊」の肉は,さっぱりして食べやすいとか。聞くところによると銀座の三笠会館でも使われているそうです。ご近所の橋通りコモンのイタリアンレストラン「オスピタリダ・オリーノ」さんでさとうみファームさんのソーセージやチョリソーが食べられるそうですよ!
頑張って作った後には,お待ちかね,パン工房ficelleのおいしいパンを食べながらのコーヒータイム。あんパンや塩パンなど,みんなにっこりして食べました。もうすでにお店に行かれた方が,ランチも美味しいのよ~と詳しく教えてくれました。その後,順番に出来上がったコースターを見せ合いました。脚の長い羊さん,かわいい羊さん,疾走する羊さんなどなど個性豊かなひつじコースターになりました。参加者の皆様,お疲れ様でした。

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最後には,麻子さんから本の紹介がありました。特に珍しかったのは,飼育方法や加工法の専門雑誌「SPINNUTSです。全国の羊関係者をリードする雑誌だそうで,なんと羊の毛のサンプルまであちらこちらに貼ってあってびっくりしました。本や雑誌は,どの世界でも深く探求していくためには必要なものなのだと改めて思わされました。

髙橋さんからは,ファームさんの目の前の海でシーカヤック体験をしたり,バーベキューで羊肉を食べたりと,ぜひ,一度遊びに行ってみてください!!とのことでした。
WSが終わる頃には,編み物がお上手な方に教わって編み物をしましょうと相談している方達もいらっしゃいました。今日の出会いが次へつながっていくなんて素敵ですね。

「モヶモヶひつじ糸つむぎとひつじ飼いのお話」2/28 第2部
街のあちらこちらに明かりがつき始めたころ,糸紡ぎ体験が始まりました。最初は,途中で糸が切れてしまうことが多く,まるで息をすると糸が切れてしまいそうで息をつめて懸命に紡いでいる方までいました。そのうち「あー,分かってきた」とつぶやきが聞かれ,やっと笑い声にも出始めました。

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途中,タマネギやマリーゴールドなどで染めた色鮮やかな糸も登場しました。好みの色の毛を選び,最後にはより合わせるのも楽しそうでした。
麻子さん,髙橋さん(羊さんたちも),とても楽しい時間をありがとうございました!!

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本棚くん

2015.11.22 【レポート】「本を楽しく並べよう」北書店による本棚作りワークショップ text by 本棚くん

本に関わる仕事や本のある場所の可能性を探る「第2回いしのまき本の教室」が開催されました。
現在開催中の「エフスタイル+北書店」での連動企画。新潟の北書店から店長佐藤雄一さんにお越しいただき、「本を楽しく並べよう」と題した実践型の本棚作りのワークショップです。「いしのまき本の教室」は、まちの本棚を舞台に、本に関わる様々な要素を学んでいこうとする講座で、第1回は5月に仙台〈火星の庭〉の前野久美子さんをお招きして、「ブックカフェのはじめかた」を開催しています。

佐藤さんは新潟の老舗書店である北光社の店長を務めたあと、北光社の閉店と同時に2010年から新潟で個人経営の新刊書店を営んでいます。まちの書店が次々と姿を消すなか、この十年くらいは個人で大手取り次ぎと契約した新刊書店は北書店以外出ていないのではないかと言われているくらい。すごいことだそう。
まずはご自身のお店での本の並べ方などをお話しいただき、さっそく本棚づくりの実践にはいります。
空っぽの棚に「まちの本棚」の在庫から100冊ほどの本をどんどん並べます。並べ方のコツや見せ方の工夫などおしゃべりいただきながら、あっという間に30分ほどで完成。その場にあった本だけで、面白そうな棚ができました。
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続いて参加者の実践。
同じく本棚の在庫から無作為に抜き出した500冊を、先ほどの佐藤さんのレクチャーを参考に選び、ひとりひと枠の棚を作っていきました。ご自身に持参いただいた本を加えて、こちらも30分ほどで完成!ほとんどアドリブなのに、個性やストーリーが見える棚が出来上がりました。それを見ながら、各自が自分のつくった棚について、テーマや並べ方についてコメントします。説明されると、「そんな意味があったのか!」と感心します。みなさん、じつに細かいところまで考えているんです。ほかの人のコメントを聴きながら、自分の棚から目が離れず、ちょいちょい手を出して並べ替えている人がいたのも印象的でした。最後にそのコメントを要約して書いた紙を、各自の棚に貼って完成です。参加者に訊いてみると、「自分で選んだ本を並べるという作業が、とても楽しかったです」とおっしゃっていました。

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本棚を作るというと、きっちりしたルールがあったり、しっかり知識が必要なのかと思っていました。
佐藤さんの話を通じて、自由な発想で本を並べることがいかに重要かということがわかりました。
書店員や図書館員など、日常的に本と接する仕事をしている人でなくても、自分の家の本棚を並べ替えてみると、新鮮な発見があると思います。今回のワークショップがそのきっかけになれば嬉しいです。これから「まちの本棚」の棚も、少しずつ手を加えてみたいと思います。

残された時間で、佐藤さんが店から持ってきた新刊を紹介してもらいました。開催中のエフスタイルの展示にあわせて、新潟の文化を知るための本や、生活や働き方に関する本を紹介するその言葉で、その本を手に取りたくなります。終わってから、よく売れました。

本棚くん

2015.7.11 【はじまりました】暮らしの道具 松野屋 あらもの雑貨の世界 text by 本棚くん

7月より石巻まちの本棚では「暮らしの道具 松野屋 あらもの雑貨の世界」が始まっています。
松野屋さんが日本各地の作り手たちと対話して生み出した商品たち、世界中から見つけてきたモノたちが集まり、
本であふれた店内から、愛おしい道具であふれた店内にパッと変わりました。
この機会に是非ともお立ち寄りください。

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松野屋さんの あらもの雑貨展
期間:7月4日(土)~8月31日(月)
土・日・月 11:00-18:00
期間中同時開催:松野弘さんの本棚 〈70 年代といまを結ぶ本〉

本棚くん

2015.5.13 【レポート】いしのまき本の教室:ブックカフェのはじめかた text by 本棚くん

「いしのまき 本の教室」第1弾「ブックカフェのはじめかた」は、仙台のブックカフェ「火星の庭」の前野久美子さんを講師にお迎えして5月9日に開催されました。
参加者は21名、地元の方以外にも、仙台、丸森、東松島、福島の方もいらっしゃって、「火星の庭」と前野さんの威力をあらためて思い知らされました!

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第一部は、前野さんがブックカフェを始めたいきさつからスタート。「火星の庭」の運営を例にして「ブックカフェを生業とすること」を、具体的な数字を交えながらお話してくださいました。
あまりに具体的なので経営の難しさを実感でき、いやぁまいったなー!という気分になりましたが、軽々とお話する前野さんにどんどん引き込まれていきました。

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そして近頃のブックカフェブームに嫌気がさし?海外の本屋めぐりをした時のお話へ。
ニューヨークと台湾でめぐった本屋さんを紹介しながら、刺激をうけた様子を大いに語ってくださいました。純粋に「本」に出会い楽しめる場所、街、人々をいきいきと感じられるお話でした。最後に前野さん「ブックカフェをやろうと思っている人は台湾の本屋に行け!」

ふたたび経営の話に戻り、ブックカフェといっても、さまざまなスタイルがあること、都会と地方ではやりかたが違ってくること、などのお話から「大切なのは自分がどうしていきたいのかのイメージをしっかり持つこと」ということで、第二部のワークショップに突入です!

第二部のワークショップはテーマが2つあり、まずは作りたいお店のイメージをワークシートに記入するところから。
ワークシートには、「お店の立地は?」「本は何冊?」「お客さんは何人?」など細かい質問が並び、最後は「ブックカフェの見取り図」を書きます。ただしここでは、あくまで理想100%で書くこと。実際はない条件でOKということで、みなさん自由に書き込んでいました。
20分ほどかけて書いたワークシートをテーブルに並べ、今度はそれぞれ、行ってみたいと思ったシートに投票していきます。一人3つ投票するのですが、時間が少なくなかなか難しかったですが楽しい作業でした。印が多かった上位3名の方にはくわしく発表していただきました。
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ワークショップ2つ目は「模擬値付け体験」。今回の講座では、「もしブックカフェをひらいた時、本棚に並べたい本」を一冊持って来ていただきました。それを全部並べて、各自「欲しい!」と思う本の落札価格を書いた紙を、本の上に置いた封筒に入れます。「実際は一瞬だからね!一瞬!」・・・と言われても。実際の入札には、とても及びませんが、どんなしくみで古本を落札するのか、楽しく体験させていただきました。

今回の参加者の中には、実際にブックカフェの準備をすすめている方が何人かいらっしゃって、講座後の打ち上げも熱く盛り上がったのでした。
今後、いろんな所に、本のある個性的なスペースが増えて行くような期待が感じられ、嬉しい日にもなりました。

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