まちの本棚だより

カテゴリー:レポート

2020.12.9 【文章教室】第10回いしのまき本の教室「ぼくは本と本屋さんが好き〜小さな出版社から見た本のゆくえ〜」 text by 本棚くん

第10回いしのまき本の教室にて開催した文章教室の作品を紹介します!
11月28日(土)に開講した本の教室は、ゲストに夏葉社島田潤一郎さんを迎え、トークイベントのあとに文章教室を開催しました。
参加者たちが持ち寄った文章(400-800字)を島田さんもしくは聞き手で編集者の丹治さんが読み上げ、アドバイスを加えるという会でした。
たくさんの素晴らしい作品が集まったこの文章教室の一部をここではご紹介します。ぜひ読んでみてください。
*著作権は作者に帰属します。

「うみねこ堂書林」MF

「ワンダリング・スター」 ハスキー

「天体に包まれて生きるわたし」 MN

toricorico

「まちの本屋の面影」 195

「28時の試験電波」 本郷映

すけさん

「保健室の先生もつらいよ」藤田南

「僕も本と本屋さんが好き」 bridge

「樹と語り合う」 N.K

「西條家」 さいじょうなるみ

「焼きバナナチップ」 A.F

2020.11.29 【レポート】第10回いしのまき本の教室「ぼくは本と本屋さんが好き〜小さな出版社から見た本のゆくえ〜」 text by かつ

第10回いしのまき本の教室が開催されました。
11月28日(土)に開講した本の教室は、ゲストに夏葉社島田潤一郎さんを迎え、多くのファンを生み出す本づくりの話を聞きました。聞き手には夏葉社の本も手がける編集者丹治さんと、石巻まちの本棚の吉田さん。第1部トークイベントはオンライン配信もされました。

島田さんがいしのまき本の教室に登場するのは4年ぶり。今期12年目を迎える夏葉社。ひとり出版社の先駆けとして、いまや本好きのあいだで知らない人がいない出版社です。本の編集経験がないなか、自分のため、そして仲のよかった従兄弟を亡くした叔父叔母を励ますために出版を始めた島田さん。これまで37冊刊行してきたそうです。

こうすれば仕事が続くという信念として、誰かがやりそうな仕事はやらないと決めているそう。
誰からも注目されるものではなく、地味だけども、良い本を出版することを目標にしているとのこと。
夏葉社を始めたときはスジのよいお客さんに評価されたかったが、続けていくにつれて変化してきたそうです。
「目をみえる範囲で喜んでくれる人に向けてつくっている」「本を手にとってくれた人をがっかりさせたくないという思いで作っている」という言葉には顔の見える誰かのために本づくりを続ける島田さんの誠実さが伝わってきました。
困難に出会った時のために本を読んできたのではないかという思いがあり、不満や不安があるときに自分を支えたのはあらゆる文化だった。そうした実感から、心の糧になるような本づくりをしたいという思いが夏葉社の根底にあると感じました。

10年やると本の作り方が安定してきたが、夏葉社としてやってきたことを一度崩して、ゼロからスタートした。それが新たなレーベル岬書店。そうした自己模倣せずに新たな本づくりにむかう島田さんの姿勢に、読者として大きな期待を持って聞いていました。

第二部は文章教室。
参加者12名が事前に準備した400〜800文字の原稿を島田さんもしくは、聞き手の丹治さんが読み上げたあとに、それぞれの感想やアドバイスを加えていきました。
参加者たちのつづる文章はどれも面白く、短編集を読むかのようにアドバイスをする島田さんも唸るような優れた表現の文章が多いと思いました。
本の教室ならではのこの光景。石巻の出版文化の発展の一助になればと思って始めましたが、この場にすでにたくさんの素晴らしい書き手がいることに、なんだかとてつもない可能性を感じました。

会の最後に、5年後にまたここで文章教室やりましょうと言ってくれた島田さん。
そんなこと言わずに来年もまた来てくださいね。

2020.2.6 レポート【松野屋松野弘さんトークイベント】 text by かつ

東京馬喰町のあらもの問屋松野屋さんとのポップアップショップ企画「あらもの雑貨の世界」の連携イベントとして、2月1日(土)に「松野屋社長松野弘さんのトークーイベント」が開催されました。20名を超える多くの方に、ご参加いただき、会場は大いに盛り上がりました。

ところでみなさん、あらものってなんだか分かりますか?
作家モノのような1点モノでもなく、低価格モノ(例えば100円均一商品)のように使い捨てのものでもない。
ローテクの工場で、細かい細工はしていないけど、実用性を重んじて、ながく使えるようなものづくりでできたものです。
その大半は手作りでもあります。民藝が民衆に美を見出すのとは違う、民衆的手工業と言えるかもしれません。

松野さんは、こうしたあらものづくりの全国の作り手とつながり、
誰がどこで作っているか確かめるため、生産者を訪ねているそうです。

あらものは単価が安いので、問屋が入っていかないと、仲介できないし、つくり手たちも続いていかないそうです。
松野屋さんの役割は、こうしたあらものの需要をつくり、問屋として注文し買っていく。
その発注の仕方も、できたら送ってという発注の仕方をしていて、つくり手のペースをくずさない。

トークイベントは、松野社長の京都のカバン屋さんでの修行時代からはじまり、あらもの問屋としての役割や、
アメリカ発のヘビーデューティーに憧れた松野社長が考えるものの価値観など、折り交えてすすみました。

最後に、雑という価値観がいかに大切かというお話がありました。
雑煮や雑穀、雑誌、雑草や雑貨、雑多など身の回りに「雑」という字を使う言葉、結構ありますね。
複雑な価値観が入り混じる現代においては、雑ということが、いかにポジティブなことかを感じさせてくれます。

あらもののよいところは、決して大切に使い続けることに価値があることではない。
ちょっと雑に扱ったりすることにも耐え、しっかり使って、最後まで使い切る。ホウキなんかは最後に薪になんかしたりして。

今回のトークイベントの聞き手丹治さん(信陽堂編集室)からの指摘もありましたが、
あらものの面白いところは、モノとしてとてもシンプルなので、ともすれば自分で作れちゃうかと思わせるところ。
つまり、つくリ手と使い手の境界線が曖昧です。
そして、
そんなあらものの魅力にハマると、やがて自分でものをつくっていくのかもしれません。
自分で作ったものだから、大事に使って最後まで使う。そうするとほかの誰かがつくったあらものも、同様に使いきる。
決してモノを買って消費することが終わりでない。暮らしの中心をモノではなく、自分に置き続ける感覚を鍛えてくれるような感じがします。
あらものを使うということは、暮らしの作り手であり続けるコトなのかもしれませんね。

【松野屋松野弘さんトークイベント】
「あらもの雑貨が生まれる場所」 ー民藝と工業製品の間にある未来ー
松野弘さん ( 松野屋店主 )
丹治史彦さん ( 信陽堂編集室 )
2020年2月1日(土)19:00-
場所:石巻まちの本棚

2020.2.5 レポート「松野きぬ子さんとつくる ぞうきんワークショップ」 text by 猫九

松野屋ポップアップショップ企画「あらもの雑貨の世界」の連携して開催された2月1日土曜日の松野屋社長松野弘さんのトークイベントに続き、翌日曜日は松野きぬ子さんによるぞうきんワークショップ。松野社長いわく、買わない雑貨「雑巾」をみんなでチクチクつくる楽しげな時間。
とても楽しみにしていました。
事前申し込みはのんびりな石巻ですが、結局参加者は9名。ぎゅっとテーブルを囲んだ形になりました。
一人一人に、まち針3本と縫い針1本、小ばさみがセットされ、テーブルの中央には色とりどりの糸。
きぬ子さんの雑巾づくりのお話を聞きながら、各自縫い進めていきました。

きぬ子さんの雑巾づくりは、結婚されてからお義母さまから教わったそうです。
はじめは古タオルをそのまま拭き掃除に使っていましたが、それではダメよと注意されて教えてもらったそう。
また、普段の生活で嫌なことやモヤモヤしたことがあると、とにかく雑巾で拭き掃除をしてスッキリするというお話には共感の声が多かったです。
途中、ちょっと見学のつもりが手ぬぐいの柄が気になり、飛び入り参加した方も。

きぬ子さんや参加者さんのお話から、家の仕事と外での仕事、どちらも自分をつくる大切な時間で、
癒したり学んだり、雑巾は一緒に人生を重ねる相棒のように感じました。
おしゃべりしたり黙々と手を動かす時間があったり、あっという間の2時間でした。
2枚目を縫い終わっている方もいて、それぞれの方らしい雑巾がたくさん出来上がりました。

参加くださったみなさん、松野きぬ子さん、ありがとうございました。
これから、雑巾との付き合いが長くなりそうです。
(店)


詳しい作り方はコチラ (店長直筆スケッチ)

【松野きぬ子と作るぞうきんワークショップ】
講師  松野きぬ子(松野屋)
日程  2020年2月2日(日)
時間  13:00~15:00
場所  石巻まちの本棚

2019.7.25 石巻一箱古本市2019開催しました! text by 本棚くん

石巻一箱古本市2019 in STAND UP WEEK 終了しました!
今年で8回目ということもあり、8にちなんだルートを設定し、
8つの出店場所をめぐり、まちなかを回遊しながら本との出会いが楽しめる一箱古本市を計画しました。

事前の助っ人さん募集もこれまでで一番多くの人が、お手伝いに名乗りをあげてくれました。
当日は石巻まちの本棚を一緒に運営する一箱本送り隊のメンバーや、毎年遠方から助っ人として駆けつけてくれる面々も集い、年に1度の楽しい同窓会的な一面も。

雨のおそれもあり、心配していましたが、なんと快晴の1日。
今年の出店者30箱のうち県外からの出店者は9箱、県内21箱。
岩手,山形,福島からの出店も多く、文字どおり東北を代表する一箱古本市になりました。

今年も、地元福祉施設あっぷるじゃんぷの子どもたちに、スタンプラリーのスタンプを作成してもらいました。
こどもたちが「8」をキーワードに発想した様々なイラストがマップを彩りました。
個人的には尺八を書いてきた子がいてシブいなと思いましたが笑

完走の景品にはまちのお菓子屋さんChez Setta(セッタ)さんが焼いてくれた特製8の字クッキーをプレゼント。
なにからなにまで8づくしの今回の一箱古本市。

会場のひとつCOMMON-SHIP橋通りには仙台から、つれづれ団が駆けつけて「BOOK SUMMER VACATION」と題して様々なワークショップを開催。
私は「ボン中元」サービスを利用しました。顔の見えない誰かのために、会場をまわり本を選び、お中元を届けると、また誰かが自分のために本のお中元を選んでくれるという仕組み。

旧観慶丸商店では石巻で開業したふたつの古書店にも参加してもらいました。
同時開催の「昭和の石巻」映像上映では東工大真野研究室による地図ワークショップも開催。ここで生まれた思い出街歩きマップも販売しました。

今年の出店者さんたちはとても個性的。
官能小説から、青春のための選書、子ども店舗まで、まさにまちじゅうが大きな本屋さんになったかのよう。

こと石巻では地元に関心をよせる人たちが多い気がします。
本を通じてなにかをしたい人たちとの、たくさんの出会いもありました。

表彰式は旧観慶丸商店でおこなわれました。
ISHINOMAKI2.0賞は「石巻日日こども商店」さん。
石巻商工信用組合で出店していました。
なんと46冊もの本を1日で手渡し、子どもたちは各自売り方を工夫して、本屋さん体験を通じて大きく成長したようです。

一箱本送り隊賞は
同じく石巻商工信用組合で出店していた「リーブレリ風」さん
石巻で活躍されていたお父様の画集や美術書を、その価値がわかる人に手渡したいという思いのもとお店づくりをされていました。

そして
石巻まちの本棚賞は、「private books PAYANCA」さん。
前回は岩手県花巻市からの出店でしたが、今年は東京に拠点を移し東京からの参加でした。
看板や本を並べた雰囲気がとても楽しく、チョット変わった雑誌も並んでいました。

今年は工事中の場所も多かったですが、まちの変化を楽しめるのも石巻一箱古本市の醍醐味と言えるでしょう。
一箱古本市の発起人であるライターの南陀楼(なんだろう)さん曰く、
全国津々浦々に広がった一箱古本市のなかでも、
まちを回遊して楽しめる一箱古本市で、続いているのは本家、不忍の一箱古本市とココ石巻だけだということでした。
来年は工事中だった場所も新たなまちの景色をつくっていることでしょう。
また来年、石巻一箱古本市でお会いしましょう。

(かつ)

2019.5.28 【レポート】第7回いしのまき本の教室「出版社にできること」 text by 本棚くん

いしのまき本の教室「出版社にできること
いま子どもたちに大人気の「おしりたんてい」、長く子どもたちに愛読されている「かいけつゾロリ」など、主に子ども向けの本を出版し、なおかつ現在も大ヒット作を生み出しているのが株式会社ポプラ社さんです。そのポプラ社の社長である千葉均さんがなんと石巻のご出身…ということで、このたび石巻まちの本棚と縁がつながり、本の教室の講師として来ていただけることになりました。聞き手は信陽堂編集室/一箱本送り隊の丹治史彦さん。

今回は、まず千葉さんの石巻時代からポプラ社の社長になるまでの長い自己紹介からスタートです。

湊小入学・湊ニ小卒・湊中・石巻高校そして東京大学へ。理系で研究者志望でしたが方向転換して金融の世界へ就職。転職を経て独立しコンサルタント会社をされていましたが、モノを生み出す会社で貢献したいと考えていたところ、ポプラ社が財務担当者を探しているという話があり、二つ返事で入社したのが10年前。本好きではあったけれど、出版など考えたこともなかったそうです。これまで縁のなかった業界へ飛び込み、財務担当者としてポプラ社の経営を立て直し、3年前に社長に就任されました。

石巻のお話を…と話がむけられると、小中学校の時のことはあまり覚えていないのです…と恐縮されつつ、高校生活の話を伺いましたが、そのおぼろげな記憶の中でも、石巻高校の生徒心得綱領の3つのうちの最後の一つ「質實剛健新取獨創自ラ新運ヲ開拓スベシ」という言葉は、今でも強く胸に刻まれているそうです。これぞ「鰐稜」(石巻高校の地元での愛称です)精神!同窓の方は頷いていらっしゃる方も多いはず。

社会人になり、石巻を顧みることも無くなっていた千葉さんですが、転機はやはり東日本大震災。でも個人として石巻になにもできなかったという後ろめたい気落ちでいたところ、社長に就任した頃から不思議と石巻との縁がいくつも繋がります。その後は石巻出身として開き直り、ずっとなにかの形で石巻と関わりたいと思っていたそうでです。「今回素晴らしい機会を与えていただきましてありがとうございます!自分の中のわだかまりが少し溶けたかな…」と素直におっしゃられていたのが印象的でした。

今日も、たまたま本棚滞在中に「おしりたんてい」が売れたそうです。ポプラ社の本が売れているところを目にすると胸が熱くなって感動するという千葉さん。モノを作り出す会社の醍醐味ですね。スマートで穏やかな方なのですが、意外と情熱家なのですね。社長になったからには、子どもたちを少しでも幸せにしたい。一人でも多くの子どもたちに本を読んでもらいたいとのこと。

そして後半は出版社の経営、そして出版業界の構造改革の話になりました。

本は「再販制度」という独特の制度の下で流通しています。その特殊な商習慣についてわかりやすく説明していただきながら、これまで行ってきた自社の財務の立て直し、さらには出版業界全体の構造改革へと話が進みます。

出版社は取次と呼ばれる問屋さんに出荷した時点で「売上」となるのですが、後日書店で売れなかった本が返本されてくるとその分がマイナスになります。今やこの返本率が業界全体で平均40%程だそうで、これが出版社の経営、そして業界全体の効率を悪くしている原因の1つです。単純に返本を減らせば利益率が高くなるのは当然なのですが、業界の長年の習慣がそれを難しくしていたとのこと。

これまで全く別の業界にいたからこそ、経営者として出版業界の独特の経営方法に疑問を持ち、社員から反対されながらも、こうすればきっと良くなるという信念と「自ラ新運ヲ開拓スベシ」の精神を持ち、経営改革を進めてこられた千葉さん。こう書くと、バリバリの経営者をイメージするところですが、語り口はとてもやさしく穏やかなのです。

ポプラ社は、たくさんの子どもたちを本好きにすることを目指し、子どもたちが自ら手に取ってくれる本を作るという理念がありました。そのためには、社員がワクワクしながら本を作る会社にしたい。そして社員がハッピーになったその先は、苦しんでいる書店・運送業者・そして作家さんたちにも利益がまわるようにして、業界全体をハッピーにしたい。その構造改革のため、まだまだたくさんの構想もお持ちのようで、ここでも「開拓」の精神をみた思いがしました。

我々のお客様は子どもたち。子どもたちを幸せにしたい。みなさんには希望あふれる未来が待っているということを伝えたい…とおっしゃる千葉社長、そしてポプラ社の皆さんの熱い思いを、参加者みんなが受け止めたことと思います。あの「おしりたんてい」のヒットの裏には、こんな思いが詰まっていたとは!なんだかポプラ社さんの本がちょっと違って見えてきました。

いしのまき本の教室開始前に石巻日日子ども新聞の記者に取材される千葉社長

今回はこれまでになく「ビジネス」なお話でしたが、すっかりお話に引き込まれてしまいました。今もなお夢を持ってお仕事をされていて、静かな語り口からもワクワク感が伝わってきました。私たちまちの本棚も、子どもたちがワクワクして本を手に取ることのできる場として頑張ります!

帰り際、どんな本がお好きなのかお聞きしたところ、大人になってから節目節目で夏目漱石を通して読むのだそうです。その時々で印象が違うのだとか。漱石は大人になってからこそ読むべきだとも。なるほど。

そんな千葉さん、これからはちょくちょく石巻に帰ってきますおっしゃっていました。またのご来石お待ちしております。ありがとうございました!

(ら)

2018.12.14 【レポート】ちいさな出版物の設計図を作るワークショップ text by 本棚くん

第6回目となる「いしのまき本の教室」は、前回の本の教室から約1年半ぶりの開催となりました。
講師は、ライターで編集者の南陀楼綾繁さん。今回の「ちいさな出版物の設計図を作るワークショップ」は全国各地で開催している人気の講座ですが、石巻では初めてです。
内容は、本や雑誌をつくること、やってみたいけどどうすれば最初の一歩が踏み出せるか判らない、という人たちの「入り口」となるような講座で、作りたいイメージを形にしてみる、いわゆる「ラフ」を作ってみるというものでした。

石巻だけでなく県外の方からの申込みもあり、定員を超える参加が!「本を作りたい」という方が多いことに驚きました。
ほぼ時間通りに始まり、まずは講座についての説明があり、続いて参加された方の自己紹介、参加の動機、持参した好きな本について話していただきました。
作りたいものは、旅行記、日記、活動を紹介するもの、今作っているものを良くしたい、好きなものについて熱く紹介したい・・・などなど既に読んでみたいと思わせるものばかり。


そして、南陀楼さんが集めたフリーペーパーや冊子を、アドバイスを含めながら紹介していくのですが、次から次へと紹介される本は、様々なスタイルやテーマを持って作られ、どれも熱い想いや勢いがあってついじっくり読んでしまいました。また、継続して作られているということも印象的でした。
さていよいよ後半1時間で、実際に各自「ラフ」作りに入ります。
・どのような形にするか?(1枚、冊子、袋雑誌etc.)
・有料or無料?
・縦書きor横書き?
・サイズは?
・タイトルは?
・テーマは?
・内容は?
を基に、手を動かしながら考えていきました。
残り10分くらいから発表。みなさん最初にお話いただいたものよりも、作りたいイメージやテーマが広がり、楽しそうに発表されていました。
ところで石巻まちの本棚のスタッフには、実は南陀楼さんより課題が出ていました。スタッフ1組になって、「まちの本棚の活動を伝える本」を考えるのです。
結果、
・日頃のまちの本棚の活動を伝えたら?
・まちの本棚をもっと知ってもらい、足を運んでもらいたい
・個性的なスタッフの顔が見えるようなものに
・本を様々な角度で紹介したい
・いろいろなお店やスペースに置いてもらいたいetc.
ということで、「まちの本棚新聞」を発行するという方向になり、ひろぴ画伯のすばらしいラフによりさらにがっつりとハードルを上げてしまった本棚チームでした。

今回の講座は、様々な表現方法があり、作り手の想いや、人となりが直に伝わるような「ちいさな出版物」に改めてワクワクしました。表現て何なんだろうなんて思っていても、沢山のちいさな出版物や、参加された方のこういうものが作りたいという楽しそうな空気に触れていると、どんどん垣根がなくなっていくような感覚になります。
取りあえず勢いでも作ってみること、楽しいや好きから始めてみること、続けること、この本の教室などを通して共通して教わるこれらは、最近やっと身体でわかってきました。

そんなことで、第2回目のちいさな出版物の設計図を作るワークショップをぜひやりたいと思った次第です。

第6回いしのまき本の教室
ちいさな出版物の設計図を作るワークショップ
講師 / 南陀楼綾繁さん
日時 / 2018年12月7日(金)18:30-21:00
場所 / 石巻まちの本棚
参加費 / 2500円(材料費含む)
参加者 / 13名
持ち物 / 自分の好きな雑誌、リトルプレス、フリーペーパーなど1冊。筆記具。

2018.8.17 【レポート】早川ユミさんちくちくワークショップ text by 本棚くん


今年で2回目となる早川ユミさんのちくちくワークショップ
石巻、仙台、登米、古川などから14名参加くださいました。

今回も、当日のお昼に石巻に到着、そのままワークショップの準備に入られるというタイトなスケジュールだったユミさん。
前日は、石巻では「石巻一箱古本市」、参加された店主さんがまちの本棚に立ち寄ってくださったり終始にぎやかでしたが、スタッフの方がバテ気味でした(笑)。

ワークショップは、ほぼ時間通りにスタート。
ユミさんが用意してくださった布の中からそれぞれ好きな布と、糸と針もお借りして、自分が使いやすいものを選びました。
見本のバッグは思ったよりも大きなバッグで、布を折り紙のように折って形を作ります。
縫う場所は4か所。今回の目玉?は、布どうしをはぎ合わせたところの刺繍です。色糸をひたすら巻き縫いしていくのですが、みなさん早くその部分を刺したくてウズウズしているようでした(笑)。
ユミさん曰く、「石巻の方は、手が早い!説明しなくてもどんどん進んじゃうのよね(笑)」

手を動かしながら、まずはユミさんの本のお話から。
今まで書かれた本を1冊1冊紹介しながら、今感じていることやお弟子さんとの暮らしなどで再確認したことなどを話してくださいました。
ユミさんが大切なこととして話されたなかで心に残ったことばは
・「豊かさ」とは、「つくる」こと
・美しく暮らすこと
・火を焚くこと
・親以外の大人と出会うこと
・会いたい人にはどんどん会いに行こう(アポイントはとること!)
その他、お弟子さんがどうしたら自分を表現できるようになるか、「自分の仕事」を生み出すことができるか模索しているというのは身につまされました。


後半は、参加者の自己紹介と、ユミさんの本の感想など自由に話す時間です。そして「得意料理」がリクエストでした。
ユミさんの話を聞いて思い出したこと、向き合っていること、取り組んでいる仕事のことなど、参加されたそれぞれの方の胸の内がちょっとずつ語られていくのは、ちくちくしながらのおかげなのでしょうか。
お題の「得意料理」は、みなさんあったりなかったりでしたが、「得意料理は、家族との暮らしのなかでできていくから大丈夫」の言葉に、日々のご飯の大切さと楽しさを思い出しました。


ワークショップで完成した作品のひとつです。

ワークショップが落ち着いたのは、結局18時すぎ。
惜しまれつつの散会でした。
石巻でのワークショップは、長いスパンで考えていると言ってくださったユミさん。
こうして石巻に心を寄せてくださることに感謝しています。

今年は、なんと石巻の3人の作家とのコラボレーション展も実現してくださいました。
作品が送られてくるまで、どのような作品になっているのかわかりませんでしたが、箱を開けた時の感動は忘れられません。
ユミさんがどのように作品をつくられるのか、現場に行ってみたい!と思いました。

(店長)

【早川ユミさんちくちくワークショップ】
「縄文ポシェットをつくる」
2018年7月29日(日) 15:00〜17:00
場所  石巻まちの本棚

2018.8.3 石巻一箱古本市2018 開催レポート text by 本棚くん

去る7月28日(土)に石巻一箱古本市2018が開催されました。
今年は32店舗が出店し、石巻まちなかに1日だけの本屋さんが出現しました。


今年の会場は中心市街地のアイトピア通りおよび橋通りに集中させ、店主さんとの密なコミュニケーションをお客さんが楽しめるようにしました。

毎年開催しているスタンプラリーでは、地元のあっぷるじゃんぷの子供たちの作品をスタンプに。
全てのスタンプを集めた方には景品として素敵なポストカードがもらえました。

新たに会場に加わったのは2箇所。
そのひとつ石巻市指定文化財旧観慶丸商店では8店舗の一箱出店に加えて、つれづれ団による「古本縁日」が開催されました!
やぐらが組まれた「本のやぐら」に加え、本の射的、本の釣りなど本を使った楽しい縁日の雰囲気が観慶丸に広がりました。

もうひとつの新会場、橋通りCOMMONがパワーアップした「COMMON-SHIP 橋通り」では8店舗が出店。
同会場では地元作家による美術展「分岐展」も開催されており、飲食店とともににぎわいをつくりだしていました。

石巻商工信用組合の軒先では8店舗が横に並んで出店。
こちらもたいへんな盛り上がりをみせていました。
途中スタンプラリーのスタンプを作ってくれた子供たちも登場し、スタンプを押してくれました!

IRORI石巻では6店舗が出店。家具工房である石巻工房が梱包材をつかったオリジナルのバックづくりワークショップをおこないました。

カンケイマルラボの軒先には2店舗と仙台から移動販売書店ペンギン文庫が駆けつけてくれました。

そして石巻まちの本棚では「早川ユミさんのちくちく展」を開催。

16時の終了後は旧観慶丸商店で表彰式。
毎年皆勤賞だったライターの石井ゆかりさんは今年は残念ながら欠席でしたが、今年も石井ゆかり賞は健在。
売り上げた本の冊数が一番多かった「ションボリーBooks」が受賞しました。
賞品の素敵なレターセットに大感激。そのほかの受賞者は以下。

・石井ゆかり賞
ションボリーBooks

・石巻工房賞
蛇田のほんやさん

・ISHINOMAKI2.0賞
マト文庫

・一箱本送り隊賞
葉っぱ屋

今年は助っ人も充実。事前の準備作業が多かったのですが、たくさんの方が関わってくれたことに新たな広がりを感じました。

最後は店主さんたち助っ人さんたちで記念写真をパシャリ。
ご参加いただいた皆様、まことにありがとうございます!
来年もここでお会いできることを楽しみにしています。

2017.9.12 【レポート】早川ユミちくちくツアー2017 「ちいさな展らん会とたねまきワークショップ」 text by 本棚くん

東北で2回目の早川ユミさんのワークショップ。「昨年の仙台でのワークショップにどうしても参加できずがっかりしていたのが,今年は地元石巻で行われるなんて夢のよう・・」と話してくださる方や,遠く県外からも参加される方もあり,20人近い女性たちの「ユミさんに会いたい!」という,熱気ムンムンのスタートとなりました。

今回の「たねまきワークショップ」は,胸当てエプロンとカフェエプロンから選べるように,ひももポケットもたくさん準備していただきました(こちらからのお願いに何か月も悩まれたそうです。すみません・・)。カフェエプロンは,石巻オリジナルと聞いて,そちらを選ばれる方もいました。

さっそく手アイロンで布の端を三つ折りにするところから始まりました。たたみを敷いてなんとかお座りいただいた狭い会場でしたが,お隣さんと仲良しの距離になったようです。

そして,ユミさんのお話です。まずは,これまで出された8冊もの本について,その頃のエピソードと共に紹介していただきました。ユミさんの本には,くらすこと(生きること)の様々なたねが詰め込まれているように思います。子育てのこと,ちくちくのこと,旅のこと,食のこと,体のこと・・。お住まいの高知の山のてっぺん谷相の,さらに,旅をしたアジアの人々のくらしが,鮮やかな色合いと美味しいに匂いとともに伝わってきました。
ときおり,参加された方の赤ちゃんをあやす優しい声とふぎゃあというという泣き声に,ユミさんは「胸がぎゅっとしますね~」と応えてくれます。私も,我が子をだっこしていた頃を思い出しました。
ユミさんのお話の後は,参加者一人一人のお話です。「○○を頑張っています。」「〇〇という気持ちで参加しました。」という自己紹介に,ユミさんは,自分の経験や,その人に寄り添った励ましの言葉を一人一人にかけてくれます。「聴いてもらう」ということが,ふと気がつくと,今はなんと少なくなってしまっていることでしょう。自分の話を大切に受け止めて,「温かい言葉」で返してくれるユミさん・・とても豊かな時間となりました。

  

同じ材料から始まったエプロンですが,行きすぎたら角を曲がって戻ってきたり,お隣さんを見て,糸の色を変えてみたり,糸が短くなったら玉どめのワンポイントを入れたりと,ちくちく,ちくちく,ちくちく・・手の進むまま,話の進むまま,一人一人すてきなたねまきエプロンとなりました。
最後は,できあがったエプロンをして参加者みなさんで記念撮影をしました。ユミさんが何度も話していた,「日々,女の人が自分のできることをちくちくとして,それがつながっていけば,世の中を平和にするはず」という種は,参加者の皆様の胸に,あるときぷっくりと芽を出し,力強く励ましてくれることでしょう。
「また,石巻で」と,ユミさんからうれしいお声がけをいただき,この次も楽しく豊かな時間にしていけたらと思います。石巻に温かな眼差しを向けてくださるユミさん,だんな様の小野哲平さんに深く感謝します。
(koma)

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