まちの本棚だより

2017.9.12 【レポート】早川ユミちくちくツアー2017 「ちいさな展らん会とたねまきワークショップ」 text by 本棚くん

東北で2回目の早川ユミさんのワークショップ。「昨年の仙台でのワークショップにどうしても参加できずがっかりしていたのが,今年は地元石巻で行われるなんて夢のよう・・」と話してくださる方や,遠く県外からも参加される方もあり,20人近い女性たちの「ユミさんに会いたい!」という,熱気ムンムンのスタートとなりました。

今回の「たねまきワークショップ」は,胸当てエプロンとカフェエプロンから選べるように,ひももポケットもたくさん準備していただきました(こちらからのお願いに何か月も悩まれたそうです。すみません・・)。カフェエプロンは,石巻オリジナルと聞いて,そちらを選ばれる方もいました。

さっそく手アイロンで布の端を三つ折りにするところから始まりました。たたみを敷いてなんとかお座りいただいた狭い会場でしたが,お隣さんと仲良しの距離になったようです。

そして,ユミさんのお話です。まずは,これまで出された8冊もの本について,その頃のエピソードと共に紹介していただきました。ユミさんの本には,くらすこと(生きること)の様々なたねが詰め込まれているように思います。子育てのこと,ちくちくのこと,旅のこと,食のこと,体のこと・・。お住まいの高知の山のてっぺん谷相の,さらに,旅をしたアジアの人々のくらしが,鮮やかな色合いと美味しいに匂いとともに伝わってきました。
ときおり,参加された方の赤ちゃんをあやす優しい声とふぎゃあというという泣き声に,ユミさんは「胸がぎゅっとしますね~」と応えてくれます。私も,我が子をだっこしていた頃を思い出しました。
ユミさんのお話の後は,参加者一人一人のお話です。「○○を頑張っています。」「〇〇という気持ちで参加しました。」という自己紹介に,ユミさんは,自分の経験や,その人に寄り添った励ましの言葉を一人一人にかけてくれます。「聴いてもらう」ということが,ふと気がつくと,今はなんと少なくなってしまっていることでしょう。自分の話を大切に受け止めて,「温かい言葉」で返してくれるユミさん・・とても豊かな時間となりました。

  

同じ材料から始まったエプロンですが,行きすぎたら角を曲がって戻ってきたり,お隣さんを見て,糸の色を変えてみたり,糸が短くなったら玉どめのワンポイントを入れたりと,ちくちく,ちくちく,ちくちく・・手の進むまま,話の進むまま,一人一人すてきなたねまきエプロンとなりました。
最後は,できあがったエプロンをして参加者みなさんで記念撮影をしました。ユミさんが何度も話していた,「日々,女の人が自分のできることをちくちくとして,それがつながっていけば,世の中を平和にするはず」という種は,参加者の皆様の胸に,あるときぷっくりと芽を出し,力強く励ましてくれることでしょう。
「また,石巻で」と,ユミさんからうれしいお声がけをいただき,この次も楽しく豊かな時間にしていけたらと思います。石巻に温かな眼差しを向けてくださるユミさん,だんな様の小野哲平さんに深く感謝します。
(koma)

前へ 次へ

アーカイブ

page top